コラーゲンの吸収

食べ物の行方シリーズ

 

関節痛や美容に良いとされるコラーゲンですが、コラーゲンを効率よく摂る方法はあるのでしょうか?
まずは、コラーゲンの役割を確認したいと思います。
コラーゲンは、哺乳動物において、身体全体のタンパク質の三分の一を占めていて、ほとんどの組織に存在し、結合組織に多いという特徴があります。
その結合組織である腱や軟骨には、弾力性と強度を与える役割をします。
骨の内部では、コラーゲン細繊維がびっしりと詰め込まれていて、強い衝撃に耐えれる強度を保つことに役立っています。
皮膚においては、弾力性と強度を保つために必要であります。

コラーゲンはタンパク質のひとつであり、アミノ酸から形成されるところは他のタンパク質と変わりありません。
特徴といえば、グリシンというアミノ酸を多く含むところです。

「食べ物の行方」でシェーンハイマーの生体実験を紹介しました。
この実験では、アミノ酸に含まれる窒素に着目し、外部から接種したタンパク質(アミノ酸)が、体内においてどの組織に、どのような形で組み込まれるのかを確認することができました。
その結果、ロイシンというアミノ酸が体内で吸収された際に、再びロイシンにだけ組み換えられるわけではないことも判明しています。
この結果から、これと同じことがグリシンにも起こることが想定され、コラーゲンを大量に取れば、体内のコラーゲンだけが増えることにならないことが予想されます。

 

それでは、健康や美容に良いとされるコラーゲンを効率よく体内に取り込むためにはどうすれば良いのでしょうか?

 

コラーゲンはグリシンというアミノ酸から形成されます。
コラーゲンは体内で骨や軟骨、筋肉・腱や皮膚の原料として利用されているたんぱく質で、加齢とともに起こるとされる関節痛に関与されることが指摘されています。
グリシンを大量に摂取することでコラーゲンが増えてくれると良いのですが、残念ながらそのようにならない難しさがあります。

シェーンハイマーの動物実験をみれば、必ずしもそうならないことがわかります。

そこで、体内のコラーゲンを効率よく増やすために必要なことを提案したいと思います。
注目すべきは、「必須アミノ酸」です。

私たちの身体は、20種類のアミノ酸で構成されています。
アミノ酸はタンパク質を構成する最小単位で、人体の20%~30%を占めています。
アミノ酸は身体の組織となる以外にも、身体のエネルギーとして使われたり、情報の伝達物質(ホルモン)となったり、免疫システムに関係したりと、その役割は生命にとって非常に重要です。
アミノ酸には、必須アミノ酸と非必須アミノ酸の分類があります。
必須アミノ酸とは、体内で合成する事ができないアミノ酸のことで、食べ物から摂取しなければなりません。
必須アミノ酸には9種類あり、この中の一つでも不足すると全体のアミノ酸のレベルが低下することになるため、すべてをバランス良く摂取することが重要となります。

そこで重要になるのが食品に含まれる必須アミノ酸の構成比であります。
これを数値化したものが「アミノ酸スコア」であり、各アミノ酸が基準値に対して、どれくらいの割合(%)含まれているかを示すもので、各必須アミノ酸が100に達したものが良質なたんぱく質ということになります。

ちなみにコラーゲンに含まれるグリシンは非必須アミノ酸ですから、アミノ酸スコアに関係しないことになります。
このことからも、コラーゲンを大量に摂取するだけでは、増やしたいコラーゲンを効率よく補うことにならないことは明かです。
それよりも必須アミノ酸に注意して、バランス良くタンパク質を補給することが大切であると思います。