top of page
腰痛と骨盤矯正

和鍼治療院の症例

幻覚の症例

東洋医学による腰痛治療

90代女性 Hさん

高齢のHさんは、一人暮らしをされています。

腰痛があり、長時間の家事ができません。

ある日、風邪を発症したことで、発熱がおこりました。

週に一度訪れるヘルパーさんが発熱を心配し、某病院へと診察にいきました。

インフルエンザに罹患していることが判明し、さらに肺炎の疑いがあるとのことで急遽入院となりました。

 

入院して二日後に、私はHさんの様子を診るために病院を訪れました。

隔離する必要があるため、個人部屋にHさんは入られていました。

肺炎の疑いがあると聞いていたので心配していたのですが、顔色や声の力はしっかりされていたので安心しました。

体調について質問したところ、足のふらつきと幻覚があるとのこと。

最初はどちらも発熱が原因だと思ったのですが、すでに平熱に戻っており、その可能性はなくなりました。

その後、少し考えてみて気づいたことは、環境が変わったことで、歩行の感覚が変化し、それによってふらつきが生じているのではないかということです。

足腰の力に自信がもてないMさんは、自宅内でもなるべく家具を上手に配置して、バランスを崩しそうになったら手で支えれるように工夫して生活しています。

それが個室に入院したことで、ベッドと壁との間に大きな空間ができてしまい、手でつかむところがないことへの不安を抱くようになります。

そのため目線を足元に集中させてしまい、平衡感覚を失いふらつきを感じるようになっていました。

トイレに行く姿勢を見たことで、ふらつきの原因を察知できたので、すぐにHさんに目線を上げて、向かう方向を見据えて歩くことをアドバイスしました。

最初は不安で恐る恐る歩いていましたが、そのうち自身が出てきたのか問題なく歩くことができるようになりました。

Hさんはインフルエンザが原因でふらついていると思い込んでいましたが、全く関係がなかったことになります。

普段からHさんの歩行状況を把握しているから察知できたことです。

 

次に気になったのが、幻覚の症状です。

そもそも幻覚の経験がないため、どのようなものが見えたり、聞こえたりするのか興味もありました。

入院した夜から幻覚を体験したようで、深夜に2時間ほど続いたそうです。

目を開けていると、壁や窓のカーテンに、鬼や蛇、口が裂けた人などの顔が隙間なく並んでいたそうです。

あまりに気味が悪いので目を閉じると、今度は聞いたことがある音楽が高速で聞こえるようになり、その歌詞がテロップのように目の前を流れるようになるそうです。

驚いて目を開けると今度は一面の顔、怖くて目を閉じると歌詞の羅列が流れてきて、速いテンポの音楽が耳元で聞こえます。

気がおかしくなったのかと心配したそうです。

翌日、担当の医師に相談したところ、体調が悪いためと言われたそうです。

元気になったら見なくなるから大丈夫と言われたそうですが、その後、2日間は深夜の幻覚が続きました。

私が病院を訪れたときに、体調の調整のために鍼をしたのですが、それ以降は不思議なことに幻覚は起らなくなったようです。

このときは医師の話を私も信じてしまい、てっきりインフルエンザによる体調不良が原因だと思っていました。

Hさんが退院されてから、入院中に処方された薬の内容を見せてもらいました。

すると薬の中に、幻覚の副作用を起こすものが含まれていたことに気づきました。

 

 

bottom of page