top of page
人の体質
病名だけでなく、証を使って診断し、治療を行うところが東洋医学の優れた特徴です。
「証」を用いる理由の一つが、病の変化を診断に反映させることにあります。
それは的確な治療をするための大きな利点になります。
しかし、病の変化だけを把握すれば十分かというとそうではありません。
人の体質や状態によって、病の原因が異なることがあるからです。
例えば、喘息による発作があります。
とても息苦しくなる症状で、夜間、横になって眠れないことも珍しくないほどです。
西洋医学での喘息の診断は、とりあえず気管支狭窄となり、気管支を薬の作用で広げて、呼吸困難を改善することになります。
病名が同じ喘息であれば、治療内容はほとんど同じになると思います。
一方、東洋医学の場合は、四つの「証」に分類することになります。
① 初期の風邪による咳の症状
② 精神的な緊張による喘息
③ 暴飲暴食のような食べることが関係する喘息
④ 病や老化によって生命力が低下することによる喘息
③のように、食べること、つまり消化器に負担をかけることが呼吸器に影響することを想像できる人はおられないと思います。
ところが、実際に食べ過ぎで喘息を起こしている方を治療する機会が多いです。
とくに小児喘息の場合、消化器を調整することで驚くほど改善することが良くあります。
気管支拡張剤を使用しても一向に治らず、苦しんでいる子供さんがおられるようでしたら、和鍼治療院の「小児鍼」がおススメです。
喘息の原因に四種類ほどあるので、同じ喘息でも発作の理由を探る必要があります。
西洋医学のように気管支を拡張して、呼吸困難を改善すれば良いという発想ではありません。
「風邪なのか、ストレスなのか、食べ過ぎなのか、体力を消耗していないか」などを問診や体表観察から得た情報を総合的に分析して、「証」を決定します。
「証」を立てたら、それぞれに対応する治療法で、鍼やお灸をしたり、漢方薬を処方することになります。
これが東洋医学的な診断です。
木木は肝、胆、春、青、酸、筋 | 火火は心、小腸、夏、赤、苦、血 | 土土は脾、胃、土用、黄、甘、肌肉 |
---|---|---|
金金は肺、大腸、秋、白、辛、皮毛 | 水水は腎、膀胱、冬、黒、鹹、骨 |
bottom of page