花と美 4
最後に「百合」の花のお話です。
ユラユラと揺れる百合の花を、優雅に歩く和服の女性に喩えているとされています。
美しさの表現も漢方的に考えると、揺れることは「ふらつき」と関連します。
この場合のふらつきは、「気の不足」によるものとして考えてみます。
東洋医学では、気が不足することを「気虚」と呼び、疲労や睡お眠不足が原因となります。
疲れて元気が出ない方に、耳鳴り、難聴、めまい、足腰に力が入らないなどの症状で悩む人が多いです。
「美人薄命」と言いますから、百合の花のように美しい人は生命力に注意が必要かもしれません。
生命力や体力に関係する臓腑は、「腎」にあたります。 気虚の状態が長くなると、腎の気に影響が出て、「腎虚」となります。
「肝腎要」とありますが、腎は五臓六腑すべての基礎と言えるところで、身体を酷使することで強く影響を受けます。
腎は、津液と関係があり、身体を潤す機能である「水」をコントロールする臓の一つです。
人体の7割は水分と言われるように、生命を育む水に関係するため、非常に重要です。
身体は活動しすぎると熱を