手の痺れ (後編)
痺れは痛みよりも改善が難しいことが多く、完治するのに少し時間がかかることを説明しました。 小指の痺れとなると、尺骨神経障害をまず疑いますが、細部の診断の結果、問題がなさそうなのと、上腕と体幹回外運動がしにくいことから頚椎に問題があることを疑いました。 その場合は第8頚椎神経根の障害になるので、斜角筋に異常が出ていないか確認をしたところ、左前頚部の筋肉の緊張があることがわかりました。 次に東洋医学的に診断すると、小指の経絡は、心・小腸と関係があり、その表裏関係から腎・膀胱の影響を受けていることが考えられます。 実際に「腎」の調整を行うことで、左前頚部の緊張が緩和し、右の小指の痺れはずいぶんと改善しました。 治療回数を重ねたことで小指の痺れはほぼ完全に消失しました。 これで頚椎の調整は完了したと安堵した頃、今度は親指に痺れが出始めました。 これにはさすがにショックを受けました。 先ほどの「腎」の調整では、まったく治療効果が出ないからです。 そのため、別の原因がどこかにあるはずなので、見落としているかもしれない反応を探す必要が出てきました。 もう一度、