二十四節気「大暑」
- 8月4日
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一年で最も暑い時期こそ、身体を整える好機
七月二十二日頃、二十四節気は**「大暑(たいしょ)」**を迎えます。
その名の通り、一年で最も暑さが厳しくなる頃です。照りつける太陽、熱を含んだ風、夜になっても下がりにくい気温。昔から人々は、この暑さを受け入れながら、自然と調和する暮らしを続けてきました。
今年も各地で猛暑日が続き、熱中症への注意が呼びかけられています。しかし東洋医学では、暑さは単に「気温が高い」という現象ではなく、**「暑邪(しょじゃ)」**という自然の力が人体へ影響を及ぼす季節と考えます。
暑邪には大きく二つの特徴があります。
一つは気を消耗すること。
「気」は生命活動を支えるエネルギーです。大量の汗をかけば、水分だけでなく気も一緒に失われます。その結果、疲れやすい、食欲が出ない、集中力が続かない、少し動いただけで息切れするといった症状が現れます。
もう一つは津液(しんえき)を傷つけることです。
津液とは身体を潤す水分のこと。汗をかき過ぎれば身体の潤いが不足し、口が渇く、便秘になる、皮膚が乾燥する、眠りが浅くなるなどの症状が現れます。
現代では冷房が普及したことで、さらに複雑な状態が生まれています。
屋外では猛暑、室内では冷房。この温度差を何度も繰り返すことで、自律神経は絶えず働き続け、身体は思っている以上に疲弊しています。
「暑いのに手足が冷える」「冷房の部屋にいると肩が凝る」「朝から疲れている」「眠っても回復しない」
このような症状は、暑さだけではなく冷えも重なった状態です。
東洋医学では、このような状態を一人ひとり異なる体質として捉えます。同じ暑さでも、熱を冷ます治療が必要な方もいれば、逆に弱った胃腸や気を補うことが必要な方もいます。
だからこそ、夏は「冷やせばよい」という単純なものではありません。
食養生も同様です。
夏野菜には身体を冷ます働きがありますが、冷たい飲み物やアイスクリームを摂り過ぎると、胃腸の働きまで弱めてしまいます。
おすすめしたいのは、旬の野菜を中心に、温かい汁物や味噌汁も取り入れることです。また、汗をかいた後は水だけではなく、適度な塩分やミネラルも補給しましょう。
そして、大暑の頃には各地で夏祭りや花火大会が開かれます。
厳しい暑さの中で祭りを行うことには意味があります。
古くから夏は疫病が流行しやすい季節でした。祭りは五穀豊穣を願うだけでなく、災厄を祓い、人々の健康を願う行事でもあります。
暑さに負けず、人と人が集い、笑顔を交わす時間は、心の気を養う大切な養生でもあるのでしょう。
自然は毎年同じように巡っているようでいて、決して同じ夏はありません。
今年の暑さには、今年の身体で向き合う必要があります。
「まだ大丈夫」と無理を続けていると、小さな疲労はやがて秋の不調へとつながります。
東洋医学では、病気になる前のわずかな変化を「未病」と呼びます。
疲れが抜けない、食欲が落ちた、眠りが浅い――そのような小さな変化こそ、身体からの大切なサインです。
大暑は、一年で最も暑い季節であると同時に、自分の身体と静かに向き合う絶好の機会でもあります。
自然のリズムに合わせて生活を整え、季節に応じた養生を行うことが、秋、そして冬へと続く健やかな身体づくりにつながります。
和鍼治療院では、四診(望・聞・問・切)をもとに、その方の体質や季節の影響を丁寧に見極めながら施術を行っています。
暑さによる疲労感、自律神経の乱れ、食欲不振、不眠、頭痛など、夏特有の不調でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
自然と調和した身体は、本来持っている回復する力を静かに取り戻していきます。




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