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~帯状疱疹の不調と膝関節痛の症例~

  • 5月29日
  • 読了時間: 3分

60代女性。

飲食店で配膳の仕事に従事されています。

長時間の立ち仕事に加え、前かがみ姿勢やしゃがむ動作も多く、以前から右膝に変形と痛みを抱えておられました。

特に仕事中、前かがみになった瞬間に膝へ鋭い痛みが走り、思わず動きを止めてしまうこともあったそうです。

さらに来院の半年前には、左胸部から側胸部にかけて帯状疱疹を発症。

医療機関で処方された外用薬を継続していましたが、皮膚症状が落ち着いた後も痛みが残り、夜間に眠れない日も続いていました。

膝だけでは説明できない身体の状態

膝関節の変形は確かに認められました。

しかし、動作を詳しく観察すると、膝だけが問題とは考えにくい状態でした。

腰椎から骨盤周囲の動きが硬く、体幹を前へ倒す際に股関節や腰ではなく膝へ負担が集中していました。

また帯状疱疹後の疼痛が長期間続いていたことから、身体全体の回復力も低下している状態と考えられました。

東洋医学では、痛みのある場所だけでなく、身体全体の働きを診ていきます。

局所の変形だけでなく、疲労の蓄積や気血の巡りの低下も症状に影響していると判断しました。

梅雨時に悪化した症状

治療を開始したのは初夏の頃でした。

その後、梅雨入りとともに症状が悪化。

膝の重だるさや痛みが強くなり、帯状疱疹後の神経痛も増悪しました。

湿度の高い時期は体内の水分代謝が滞りやすく、古い炎症や痛みが表面化しやすくなります。

そこで鍼灸治療により全身の巡りを整えながら、炎症の鎮静化を図りました。

継続的な治療によって夜間痛は徐々に軽減し、睡眠も安定していきました。

夏の繁忙期を乗り越えて

夏になると飲食店は繁忙期を迎えます。

仕事量の増加に伴い、一時的に帯状疱疹後の痛みが再燃しました。

しかし以前ほど強い症状にはならず、治療を継続することで再び落ち着きを取り戻しました。

膝についても変化が現れ始めました。

当初は膝を深く曲げることが難しく、正座動作はほとんどできませんでした。

ところが治療を重ねるにつれ屈曲角度が改善。

徐々に膝を曲げられるようになり、日常生活での不自由さも軽減していきました。

身体は一つにつながっている

変形した関節が元の形に戻ったわけではありません。

それでも痛みが軽減し、動きが改善したのはなぜでしょうか。

それは身体全体の働きが整い、本来持っている回復力が発揮されるようになったからです。

膝の痛みだけを見るのではなく、腰や骨盤の動き、疲労の蓄積、帯状疱疹後の不調まで含めて身体全体を診ること。

それが今回の症例から改めて感じたことでした。

膝の痛みが長引いている方の中には、痛む場所だけではなく、別のところに原因が隠れている場合もあります。

なかなか改善しない膝痛でお悩みの方は、一度身体全体の状態を見直してみることも大切かもしれません。

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