小暑
- 7月8日
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更新日:11月9日

今年は観測史上最も早い梅雨明けが近畿地方で6月末に発表され、例年より約3週間も早く夏が訪れました。梅雨明けが早まったことで、湿度が高い中での暑さが一気に増し、これからの季節にはさらに注意が必要です。特に、気温と湿度が急上昇する時期には体調管理が重要となり、無理のない養生が必要です。
小暑の初候「温風至」:南風と共に熱気が運ばれる
小暑の初候「温風至(あつかぜ いたる)」は、南風が熱を運び、蒸し暑さが増す時期を示します。この頃、気温が急激に上がり、空気中の湿度も高くなります。南風は、温かく湿った空気を運ぶため、身体にとっては非常に過酷な環境が続きます。
この時期、東洋医学では「気」と「血」の巡りが滞りやすく、特に湿気と暑さが身体に悪影響を及ぼしやすいとされています。温かい風が体内の「気」を上昇させ、「暑気」が体内にこもりやすくなるため、体内のバランスが崩れることがあります。
体調管理のポイント:過剰な汗と気の消耗に注意
「温風至」の時期には、汗をかくことが多くなりますが、汗をかきすぎることは気の消耗を招き、体力を削る原因になります。特に、暑さに体が慣れていない時期に過度に汗をかいてしまうと、気血の不足を引き起こし、体調を崩す原因となるため注意が必要です。
また、湿気が身体にとどまることで、湿邪が体内に滞りやすくなります。この湿邪は、消化器系や関節に影響を与えるため、胃腸が弱って食欲が落ちたり、体がだるく感じたりすることもあります。特に、湿気が強くなることで、身体の中に余分な水分が溜まり、むくみやすくなることもあります。
この時期の養生法として、まずは過剰な汗をかかないようにすることが大切です。特に、外出時には帽子や日傘を使うなど、日差しを直接浴びないよう工夫しましょう。また、室内での温度調節も大事で、冷房を使う際には設定温度を極端に低くしないようにし、温度差が体に負担をかけないように気をつけると良いです。
食生活の工夫:胃腸を冷やしすぎない
また、この時期の食生活にも気を使う必要があります。暑さによって食欲が落ちることがありますが、無理に冷たい食べ物を摂取しすぎないようにしましょう。冷たいものを摂りすぎると、胃腸の働きが低下し、消化不良を起こしやすくなります。特に、冷たい飲み物やアイスクリームなどは胃腸を冷やしすぎるため、注意が必要です。
代わりに、温かい食べ物や消化に良い食材を取り入れると良いでしょう。例えば、しょうがやねぎ、にんにく、梅干しなどの温熱性の食材を積極的に取り入れることで、体内の温度を適切に調節できます。また、梅干しや酸味の強い食べ物は、消化を助ける効果もありますので、積極的に取り入れていきましょう。
湿気対策と水分補給
湿気が強く、空気がジメジメしているこの時期は、体内の余分な水分を上手に排出することも重要です。特にむくみが気になる場合は、利尿作用のある食材を摂取することをおすすめします。例えば、きゅうりやスイカ、冬瓜などは体内の余分な水分を排出する働きがあります。
水分補給は重要ですが、冷たい飲み物を摂りすぎないようにし、ぬるま湯や温かい飲み物を少しずつこまめに飲むことがポイントです。体内の水分をしっかり補いながらも、体を冷やしすぎないよう心掛けましょう。
まとめ:蒸し暑さと湿気に負けない生活
「温風至」の時期は、暑さと湿気が重なる厳しい季節です。この時期には、無理のない涼を取ることや、胃腸を冷やさないように工夫した食生活が大切です。体調管理をしっかり行い、適度な休息と水分補給を心がけることで、これから本格的に訪れる夏に向けて、健やかに過ごすことができるでしょう。
また、今年の梅雨明けが早かったことを受けて、夏が長引く可能性もあるため、早めに夏の養生法を取り入れ、体調を整えておくことが重要です。自分の体の声に耳を傾け、無理せず、元気に過ごしましょう。




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