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臨床実習

大阪本町和鍼の不妊治療

シン教授の指示で、チャングムとシンビは、実際に患者の診断を行う実習をすることになります。
病室にて、最初にチャングムが三人の患者さんたちを診察します。
チャングムが行った診察は、
東洋医学の四診であり、とくに望診・切診で手際よく診断を下しています。
知識に基づいた確かな自信が、診断を終えたチャングムには溢れています。
続いてシンビの順番でしたが、彼女はなかなか診断を下すことができず、不慣れな切診で患者に不愉快な思いをさせてしまいます。

即座にそれぞれの病名と処方を下したチャングムとは非常に対照的に映ります。

いつまでも診断を下せないシンビに対して、シン教授は10日間の猶予を与えます。
一方のチャングムには、シンビが診断を下すまでの間、患
者の世話をすることを指示しました。
不服そうなチャングムでしたが、シンビが親身なって患者さんの話を聞いている姿を見て、自分に欠けているところに徐々に気づくようになります。


診療中の患者さんとの会話には、とても重要な内容がありました。
例えば、患者1は、「どんな時に痛みが出るのか」という問いかけに、
「いつも痛いけど、実はね。姑の顔を見るだけで、急に息が苦しくなり、お腹が張ってくる。姑が私をあまりにもいびるから。」と答えるや否や、大泣きしてしまいまいます。
慌ててシンビが「落着いてください。大丈夫ですよ。」となだめていました。
患者2は、「お腹が張った感じはいつごろですか」との問いかけに、
「一年前ぐらい前からで、口が寂しいとき 塩を取る。」と答えます。
さらに「お茶の葉は食べたくならないか」と問いかけたところ、
「食べたいけど、お茶の葉は高いものね。」と答えました。
患者1と2は、一見すると同じ症状が出ているように思われたのですが、問診の内容を工夫してみると異なる事情が明らかになり、処方を変える必要性に気づくことができたのです。
そして10日目にチャングムが導き出した診断は以下の内容です。

患者1と患者2は、どちらの方も脈と症状が同じでした。
しかし違う病気のようです。
患者1は、手足が痩せていてお腹が張っており大きく膨らんでいます。
姑の話をしただけで泣き出したところをみると、精神の緊張によるキチョウ
患者2は患者1と似ていると症状と脈ではありますが、お腹を押してみたら固いしこりのようなものを感じられました。
患者1は胸とお腹が張っていますが、患者2はお腹だけが張っているという違いがあります。
塩気のあるお茶の葉や土を食べたがるところをみると、蟯虫による膨れです。
処方はショウコ蕩です。
患者1と症状と脈は違いますが、患者3の心痛の症状は精神の緊張が原因で、患者1と同じ分心気飲を処方すべきです。

患者1と患者2とは、症状は似ていますが、原因が違いますので、処方も違います。


このことは同病異治のことを指しています。
同じような症状でも、治療方法が全く異なることがあります。
腰痛や肩こりがひとつのカテゴリーでくくるのではなく、「証」に基づいて治療する理由がここに表現されています。

患者1と患者3は、症状は違いますが、原因が同じですので、処方も同じで良いと思います。


このことは異病同治のことを指しています。
一見すると全く異なる症状であっても、同じ治療法で治癒させることができます。


「耳鳴り」と「ふくらはぎの転筋(こむらがえり)」、

「ばね指」と「飛蚊症」、

「アトピー性皮膚炎」と「喘息」など

その組み合わせは数え切れないほどあります。

三人の患者さんの症状を通して、東洋医学の叡智である「同病異治」と「異病同治」を組み込んでいるところが、イ・ビョンフン監督の手腕です。

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