top of page
腰痛と骨盤矯正

和鍼治療院の症例

脊柱管狭窄症の症例

東洋医学による腰痛治療

80代女性 Sさん

Sさんは、耳鳴り、難聴、幻聴、両膝関節痛、不眠症、高血圧、肩こり、腰痛などの症状が常にある80代の女性です。

今年で、初診から治療を続けて3年目を迎えました。

当初は岩が転げ落ちるような轟音の耳鳴りがあり、夜も怖くて眠れなかったのですが、現在はかなり静かな音に落ち着きました。

それまでは音が小さくなっては再び大きくなることを繰り返し、耳鳴りの音がなかなか安定してくれなくて苦心しましたが、以前のような轟音に変わることはありません。

それと、完全に聞こえなかった耳が聞こえるようになり、筆談での問診から普通に会話できるようになりました。

これには私も驚きました。

耳が聞こえなくなって3年以上が経過しておられたので、難聴の調整は難しいと思っていたのですが、会話ができるようになってくださったことをとてもうれしく思っています。

幻聴は原因が現在も不明で、とくにそれと関係する反応を察知することができずにいるため、治療方法を決めることもできず、変化がありません。

初診時から唯一改善がみられない症状です。

 

そんなSさんですが、9月に妹さんと再会するために外食に出かけたそうです。

帰宅後しばらくしてから、左のおしりと左のふくらはぎに痺れのような症状が出るようになり、仰向けに寝ると痛みがひどくなるとのことでした。

今まで経験したことのない痛みで、何が原因かわからないとすっかり困り果てておられました。

少し身体の状態を診て、症状の状態から見て、すぐに「脊柱管狭窄症」であると思いました。

いつものように仰向けで診察しようとしても、寝てしばらくすると臀部や下肢に痛みがでるため、すぐに起き上がろうとされます。

座位で、前屈しているのが一番痛みが緩和されるようでした。

前屈すると痛みが緩和される理由は、狭窄を起こしている脊柱の関節に隙間ができて、神経圧迫が取り除かれるからです。

背骨の歪みを確認するため、座位にて脊柱の棘突起の状態を調べました。

胸椎の11番、12番、腰椎の1番から5番まで左の大きくあく湾曲していました。

胸椎の11番、12番は、消化器である胃や脾と関連のある部位です。

今年の夏も非常に暑く、Sさんは毎日冷たいお茶やカキ氷を飲食されていました。

その影響が7月、8月と出ていて、肩こりや膝の調子が悪いことがよくありました。

そのため、この期間は胃腸の調整をしっかりと続けていたのですが、養生の改善をされなかったこともあり、8月の末になっても11番、12番周囲の筋肉の緊張がなかなか緩和していませんでした。

 

定期的に治療を続けていた患者さんが、突然に違う症状を引き起こすことは珍しいことではないのですが、脊柱管狭窄症ほどの症状が突然出ることは予想外のことでした。

脊柱への負担の原因を探るため、その日のSさんの食事の内容や座る姿勢などを詳しく聞いてみたのですが、これといった情報を聞き出すことはできませんでした。

後は、普段と違う身体の特徴がどこかに出ていないか方法はなく、全身を隈なく調べながらそれらしい異常を右の太腿に見つけることができました。

脈による診断と合わせながら治療を進めて行き、少しずつ症状を改善することができました。

 

狭窄症が出る前と出た後の治療内容が、大きく変化することはありませんでした。

しかし、今回の調整でわかったことは、消化器が非常に影響していたこと、骨盤の歪みがひどくなっていたことの2点です。

2つの因果関係までははっきりしませんが、脊柱に現れていた背骨の歪みに二つが関係していたことは間違いありません。

それは治療を行うことで、歪みが変化することから立証することが可能です。

 

1カ月間に渡って行った集中治療によって、なんとか横になって休むことが可能となり、睡眠もできるようになられました。

背骨の歪みに関係して、右の太腿に筋肉の緊張が出ていたのですが、それも改善し、それと同時に左臀部、下肢に発症していた痺れが解消するようになっています。

狭窄症の根本原因は、悩んでおられる人それぞれに違いがあると思われます。

Sさんの場合は、横になって休むことができないほどに状態は悪かったのですが、1カ月という短時間で改善できたことはなりよりも幸いだったと思います。

発症する前から続けていた治療も少なからず役に立っていたと思っております。

 

bottom of page