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辛味


辛味(しんみ)
辛いものといえば、生姜やトウガラシ、わさびなどが思い浮かびます。
これらを多量に食べると、パッと目が開いたり、鼻がスーと通ったり、全身にピリッと電気が走る感じがしたり、カーと身体が温もって汗ばんだりします。
これらの反応が、そのまま辛味の生薬としての役割となります。
辛味の最大の特徴は、身体の活動を活発にすることにあり、さらに、気の流れを良くして、全身の隅々に気をめぐらすことにあります。
身体にエネルギーである気を循環させることを行気、または理気と呼んでいます。
理気作用と関係して発散作用があり、皮膚から汗を出すことで、水分や熱を外に出して散らす働きのことを意味します。
邪気を外部に漏らして、正気をめぐらせる役割です。
夏場に辛いカレーを食べて汗をしっかりかくと、すっきりしたような感じがするのは、この発散作用の効果と言えます。
風邪を引いた際に使われる生薬に、麻黄や桂枝があります。
日本でよく使われる葛根湯にも配合されている麻黄には、辛味による発汗作用があり、この作用で風寒の邪気を外へと出して、正気を巡らし、邪気の侵入を防ぐことができます。
桂枝(シナモン)にも、麻黄と同じような作用があります。