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  • 小島 秀輝

伝経 銀盤のフェアリー③



2診目

初診から一週間が経過

まずは初診の治療後の体調を詳しく聞きました。

初診の治療後、体がとても温かくなり、自宅までの車中ではとても元気だったそうです。

帰宅後も手の平と足裏からの発汗が継続し、就寝中も寝汗が出るほどだったそうです。

就寝前は少し疲れた様子で、ぐったりしていたそうです。

しかし一夜明けて、Mちゃんは元気を取り戻したので、ご両親は安心したそうです。

次の日から軟便は普通の便になり、食欲も回復しました。

冷たかった手足がすっかり温かくなったので、劇的な変化に私も驚きました。

ひとつ気がかりだったのは、手の平と足裏の発汗が多いことです。

初診時に氷のように冷たかった手の平と足裏はかなり温かくなったのですが、とめどなく出てくる汗はあまりに多いように感じました。

この時は水邪が出ているものと判断していました。

治療内容は初診時とほぼ同じで、脾の臓と冷えに対する治療に重点を置きました。


その後3診目の治療となるのですが、すぐに予約日の変更の電話がありました。

ある日の練習後、腕に蕁麻疹が出たからです。

その後、背中にも蕁麻疹が出て、痒みがあるため夜も眠れなくなったようです。

あれだけ身体が冷え切っていたのに、皮膚に炎症が起こるようになったことに驚きました。

この症状の変化に少々戸惑いましたが、それと同時に、Mちゃんの発汗の疑問も脳裏に浮かびました。


漢方の処方に、「桂枝麻黄各半湯」があります。

通常は風邪の処方として使われるのですが、蕁麻疹との関係があります。

風寒の邪に襲われた場合、邪気(風・寒)が表(皮膚)に留まってなかなか去らない状態となることがあります。

この場合、身体の陽気が体内でうっ滞することになり、汗を出したいのに出せない状態となります。

風寒の邪気が皮膚にうっ滞して陽気の発散を阻害すると、皮下に熱がこもるようになり、痒みが出るようになります。

このような状態になった場合、皮膚からうっすらと発汗させると蕁麻疹が改善します。

程よい発汗を促すための処方が「桂枝麻黄各半湯」です。


Mちゃんの治療を振り返ると、「脾の臓」に冷えがあったことは間違いありません。

消化器である脾が冷えた原因は、スケートリンクとその会場の冷気と関係があります。

寒邪に長時間さらされることで、冷えが表(皮膚・肌)から裏(臓腑)へと入ってしまい、数週間もの間、寒邪によって消化機能が低下していたことが想像できました。

治療によって陽気が高まり、身体の内部が温まることができるようになりました。

この時、皮膚からうっすらと発汗があればよかったのですが、手の平と足裏からしか発汗がありませんでした。

手の平と足裏は皮膚であっても陰の経絡であり、甲である外側の陽の経絡に発汗がないこと気になりました。

2診目の際、気になっていた発汗の問題が蕁麻疹として出たのではないかと推察しました。


突然の蕁麻疹に戸惑っておられるお母さんに、身体の中に熱がこもっている可能性を説明し、すぐに治療に来てもらうことになりました。


つぎはいよいよ3診目、身体の声を聴いた結果をご紹介します。


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