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  • 小島 秀輝

六人衆 「弐」異病同治編


⑦姿勢、⑧腰痛、④肩こりは、膝関節痛と関係している可能性が高く、Sさんの体質と体調の両面から原因を考えました。

歩く姿勢を観察すると、頭が体幹の中心よりもかなり前にあり、両手は腰よりも後方に位置しています。

歩幅は小さく、右ひざが外方へと大きく開きます。

腰部脊柱管狭窄症を疑う歩き方です。

質問してみると、長距離の歩行で右足がこわばって、腰から膝まで動かすことができなくなるとのことでした。

その場合、左膝関節にも痛みが出ます。

頭は中心線よりも前方にあるので、頚椎と肩甲骨周囲の背骨にかなりの負担がかかります。

このように、腰部の問題が背骨や骨盤へと影響し、下半身と上半身に重大な影響を与えることが想像できます。

四診を用いて診断し、骨盤や股関節の調整をしました。

治療を続けたことで、3年ほど前から肩こりで悩むことは無くなりました。

現在、前傾姿勢が改善し、まっすぐに直立できるようになっています。

このことで膝への負担がかなり軽減し、室内での歩行に支障が無くなりました。

治療開始から半年で床から立ち上がることができるようになり、5年後の現在では膝の痛みが消失し、素早く立ち上がることができます。

正座まであと30度のところまで屈曲が可能となっていて、お尻がかかとにつくことを目標に治療を継続しています。

正座の際、上に向いたままの尾骨を下方へ向けることができるようになったことで、ずいぶんと膝の屈曲がしやすくなっています。

腰部周辺の関節の改善、これがこのような効果をもたらしたと考えられます。


①喘息、②冷え性、⑤顔色の悪さ、⑩逆流性胃炎、これらは消化器のトラブルです。

脈診でも「脾」の臓が悪いことが出ています。

お菓子類や油っぽいものを食べると、喘息が悪化しました。

雨天の日も咳が出ることが多く、必ず呼吸が乱れました。

治療を始めた頃は、頻繁に咳がでるため熟睡できない日が多くありました。

治療開始から2年後、咳はほぼ出なくなり、夜もぐっすり眠れるようになっています。

昨年、雨天時の痰の増加がひどく、対応に苦慮しましたが、今年は呼吸器に症状が出ることがかなり減少しています。

今年の3月、お孫さんが買ってきたケーキを食べて痰が増加しましたが、それを最後に、現在は痰の増加はありません。

食事と喘息が関係すること、珍しくないので喘息のある人は要注意です。


③ 夜間尿、Sさんは80歳と高齢であることから、腎精の衰微と考えられます。

①喘息、②冷え性、⑤顔色、⑧腰痛など、Sさんの症状のほぼ全てに、腎臓が関係している可能性があります。

脈診でも「腎」の臓の弱りをしっかりと確認できています。

Sさんの根本の体質として、腎臓の回復を治療の中心に置いています。

治療開始当初、就寝から起床までの睡眠時間中、4,5回トイレに起きておられました。

それが5年後の現在、夜間尿は1回まで減少しています。


⑥足首周辺の毛細血管の出現が多数あるのですが、これは「瘀血」となります。

東洋医学では「細絡」と呼んでいて、古くなった血液を意味します。

過去に医師に相談してところ、「皮膚が硬い」からだと説明されたそうです。

確かに皮膚は硬いのですが、皮膚だけでなく、その下の肌肉や筋肉も硬直しており、老廃物の長期間に及ぶ停滞を想像させます。

血流の悪さが原因であり、②足の冷えにもかなり関係があることを意味します。

2年ほど前から細絡はきれいに消失し、ツヤのある赤みがある肌に変わりました。

温熱カイロが一年中手放せなかったのですが、治療開始の翌年からカイロを使用する必要がなくなりました。

カイロの在庫が山積みになって、来年に持ち越すことになりました。

現在、クーラーで足が冷えることはありますが、常に温める必要は無くなっています。


④腱鞘炎、調理の際、フライパンを使用すると、時々親指に痛みが出ました。

不思議なことに、左の時もあるし、右の時もありました。

治療の初期、手首や手関節の問題として局所の治療で対応していました。

ところが肘関節から先の問題だけでなく、腎精の衰微が関係していることが徐々に判明し、腎虚が顕著にあるときには指にも異常がでることがわかるようになりました。

骨盤から腰椎、背骨の歪みが頚椎へと影響し、腕を伝って指先まで影響していたことになります。

5年後の最近では、親指がこむら返りのように「ひきつる」ことはあっても、以前のように数日間に渡って痛みが続くことは無くなっています。


つづく


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