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  • 小島 秀輝

六人衆 「肆」 5年後の「今」


「六人衆」というテーマで、Sさんとの出会い、治療内容、体質と治療による変化をみてきました。

日本では西洋医学が主流ですが、和鍼治療院の東洋医学の治療とは大きな違いがあることに気づいてもらえたでしょうか。

私がSさんの往診をする前、Sさんは内科、整形外科、呼吸器科、歯科と通院するにも数か所を受診する必要がありました。

膝関節のトラブルを抱えての通院は、それだけでも一苦労で、それを数か所も行くとなると体調次第では一人では行くことができないことが増えていきました。

膝関節の状態が悪化し、いよいよ外出ができなくなったことで往診を希望されました。

治療開始直後は、膝関節痛の緩和を主訴として、膝の状態の改善に重点を置きました。

伝承医学である東洋医学は、膝の治療であっても、膝だけを治療することはありません。

異病同治篇でも書きましたが、Sさんの体質と体調を診断することで、それぞれに対応した治療を施術することになります。

Sさんの体質に関して、腎と脾に問題があることがわかったので、この二つの臓腑の調整を中心に置きました。

Sさんは膝関節の痛みがどのように出るのか、どの部位に出るのかなど、膝の痛みに関する話を何度も何度も、繰り返し、繰り返しされます。

それでも私は膝関節には一度も鍼を刺すことはありません。

膝関節が痛むのに、どうして膝関節に鍼をしてくれないのか?

Sさんにしたら当然の質問を何度も浴びせられました。

Sさんのお気持ちはわかりつつも、膝関節の痛みの根源が「腰」にあること、腰にあるということは「腎臓の働きの低下」にあることを曲げることはできません。

Sさんが半信半疑のまま治療を続けましたが、治療後に何となく軽くなる痛みを不思議に感じておられました。

治療開始から3週間ほど経過したころ、Sさんの膝の痛み方に変化が出てきました。

そのころからようやく治療の方針を理解していただき、治療内容は納得できなくても、治療効果があることを納得してもらえるようになりました。

それから5年が経過しようとしています。

膝関節の曲げ伸ばしで痛みが出ていたのですが、今では痛みが出なくなりました。

太ももの内側が痛むとか、関節の中が痛むとか、骨が痛むなど、いろんな痛みの出方がありましたが、膝関節に一度も鍼をすることはありませんでした。

初診時から現在まで、腎臓の働きを高める治療に徹しています。

90度から曲げることができなかた膝関節は、あと20度曲げればお尻がかかとにつくところまで可動域が向上しています。

正座を試みると、変形のある右膝関節よりも、左膝関節の方が痛むのが不思議だと首をかしげるのが治療後のルーティンとなりました。

さて、六人衆の集会です。

かつて畳から立ち上がることができなかったSさんは、誰よりもすばやく動けるようになりました。

てきぱきと動くSさんの姿に、お友達の5人は驚かれるようです。

5年前、歩くことに問題がなかったご友人たちは、どなたも膝関節に痛みが出るようになりました。

トイレに行くために畳から立ち上がる姿があまりにも時間がかかるそうで、「昔は私があんな感じだった」とSさんは過去を振り返ります。

整形外科でシップをもらう方、鍼灸院で膝に鍼を打ってもらう方、何も治療をしていない方、いろんなタイプがおられることを知りました。

伝承医学である東洋医学は、健康維持にも非常に貢献度が高いので、ちょっとした刺激を恐れて治療を試されないのは残念に思います。


Sさんは、喘息、逆流性胃炎、夜間尿、腱鞘炎、冷え性など多様な症状を抱えておられたのですが、現在、これらの症状はすべて改善し、発症してもすぐに回復するようになりました。

自宅の家事全般をすべて自分でできる健康状態でありたいというのが、Sさんの目的となっています。

外出ができる状態は実現できていないので、まずは正座ができる日を目標に、これからも体質改善を継続していきます。



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