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小島 秀輝

眼精疲労と無月経 (上)


スマートフォンの普及に伴い、眼精疲労を起こすことが増加しています。

仕事でパソコンを使い、プライベートでスマホを使うと、疲労はますます増えることになります。

私たちか視覚として取り入れている光を「可視光線」と呼びます。

可視光線にはいろいろと波長があり、その長さの違いが「色の変化」になります。

赤色は波長が長く、エネルギーは弱い。

その赤色から順番に、波長が短くなり、エネルギーは強くなっていきます。

赤色 → 黄色 → 緑 → 青 → 紫 と順番に短くなります。 

紫よりも波長が短くなると、紫外線と呼ばれる光となり、エネルギーはさらに強くなります。

スマホから出る光には、ブルーライトが多く含まれます。

LED照明やLEDディスプレイが発する光にも、太陽光や白熱灯に含まれる量を超えるブルーライトが使用されています。

紫外線に匹敵するほどのエネルギーを持つブルーライトには、網膜の機能低下を引き起こす可能性が危惧されています。

最近の眼精疲労が単なる目の疲れと言えなくなっていることの理由です。


さて、ここまではブルーライトと目の関係でした。

ところが、ブルーライトの影響が人体のほかの部位にも影響を及ぼすことがあることを考えなければいけなくなったのです。

鍼灸治療をしていますと、とても不思議な症例に出くわすことがあります。

今からご紹介するMさんは、20代の女性です。

初潮のころから生理不順があり、高校生の頃は数か月も月経がないことが普通でした。

季節的には夏場が多く、冬場は比較的順調に月経があったように記憶しているようです。

卒業後、就職したのですが、月経がまったく来なくなり、体のことが心配になったことから鍼灸治療を試したいと和鍼治療院に来院されました。

月経と「血」はとても関係が深く、病因病理を考える際に不可欠な要素です。

西洋で貧血と呼ばれることは、東洋では「血虚」と考えます。

貧血よりも多くの意味を含んでいるので、血虚=貧血とはならず、「血虚≧貧血」という感じでとらえてほしいと思います。

血の不足を補うこと、血の流れを良くすること、これらの点を重視して治療を積み重ねました。

しばらくして月経は来たのですが、数か月間の継続が難しいことがわかりました。

月経の安定に不可欠な要素は何なのかと解明に苦心するようになりました。

血虚の克服に、何が必要なのか。

次の課題を模索することになりました。


次の「中」に続きます。

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