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  • 小島 秀輝

眼精疲労と無月経 (中)


「血虚」その答えは、実に簡単なところにありました。

彼女の体型を見ると、とくにやせ型というわけではなく、虚弱な体質には思えませんでした。

それでももっと元気になってもらうために、ふっくらとしてもらう必要がありました。

血を増やすには食事が大切です。

治療開始当初から、食事の改善を養生として取り入れてもらいました。

食事の内容も気を付けて、食べる量も増やしてもらったのですが、なかなか月経周期が安定しません。

不思議なことに、体重が増えないのです。

詳しく聞いてみると、生涯で40キロを超えたことがないとのこと。

39キロまでなんとか増えた体重が、どれだけ食べても39キロで前後します。

この状況がしばらく続いたことから、40キロに体重がのることがきっかけになる気がするようになっていきました。

そして、いよいよ40キロを超えるときが訪れました。

ありがたいことに、体重が目標を達成したころ、本当に月経が訪れ、きちんと続くようになっていきました。

体重が安定したことで、血虚を克服しました。

このことは、東洋医学の診断方法の一つである脈診に現れます。

実際、体重が安定した時点で、血虚の脈が完全に彼女の体から消えました。

体表に現れる反応(脈)と体型(体重)の関係は、「血虚」を克服するための目安だったことがこれで立証されました。


これで順調に月経が来る予定でしたが、再び「血虚」の反応が脈状に現れるようになり、その週間後に月経が再び止まってしまいました。

血虚の反応が出る少し前に、喘息のような咳が出た時がありました。

治療開始から一度もなかったことですが、過去に一回ぐらいの経験のようです。

体調を崩していることはわかりましたが、何が原因か、この時は究明できませんでした。

それ以降、月経が来ない月日が続きました。

体重は40キロをしっかりとキープしていて、まったく問題はありません。

それなのに、何度治療しても、血虚の状態が改善しません。

何か状況が変わっているはずなので、仕事の内容、家庭生活、休日の過ごし方など、身体への負担の増加や休息がきちんととれているのかの確認を何度もおこないました。

徐々にわかってきたことは、睡眠時間が少し減少していていることと、入眠時間が遅くなっていることでした。

疲労回復には睡眠はとても重要ですから、以前の睡眠内容に戻してもらいました。

それでも血虚の状態に変化があらわれません。

いよいよ原因追及の項目が見当たらなくなり、お手上げ状態となってしまいました。


その後、この状況を打開する、本当の原因へとたどり着くことになります。


「下」へと続きます。

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