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食べ物の行方 (上)


私たちは食べることによって生命活動を営んでいますが、食べたものがどの程度吸収され、どこへ運ばれて行くのかを知る人は少ないのではないでしょうか? この疑問を突き止めたのが、ルドルフ・シェーンハイマーという人物です。 彼は、たんぱく質を構成するアミノ酸に着目しました。 アミノ酸にはすべて窒素が含まれています。 通常の窒素は、原子核に陽子が七個、中性子が七個含まれて、質量は14と表されます。 ところが自然界の窒素の中には、陽子が七個、中性子が八個を含む異端児が存在し、その質量は15となります。 これを「重窒素」と呼びます。 普通の窒素(N14)と重窒素(N15)は、質量分析計を用いることで見分けができることから、シェーンハイマーは重窒素(N15)を追跡子(トレーサー)として生物実験に用いることにしました。 生物実験には、普通の餌で育てらたネズミを使用し、一定の短い時間だけ重窒素で標識されたロイシンというアミノ酸を含む餌を与えることを試みました。 ネズミを選ぶ際には、成熟した大人を選択します。 その理由は、成長中の若いネズミならば、摂取したアミノ酸は身体の一部に組み込まれる可能性が高く、その一方で成熟したネズミならば、その可能性は低く、体重の増加を心配する必要がないからです。 シェーンハイマーは、実験前に以下のように予想しました。

「必要なだけ、ネズミに食べられた餌は、生命維持のためのエネルギー源として燃やされる運命にあるので、摂取した重窒素アミノ酸もすぐに燃やされることになる」と。 ほとんどの重質素が対外へと排出されると思われていたのですが、果たして、この動物実験の結末はどうなったのでしょうか?

みなさんも予想してくださいね。 (中)へと続きます。