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手の痺れ (後編)


痺れは痛みよりも改善が難しいことが多く、完治するのに少し時間がかかることを説明しました。

小指の痺れとなると、尺骨神経障害をまず疑いますが、細部の診断の結果、問題がなさそうなのと、上腕と体幹回外運動がしにくいことから頚椎に問題があることを疑いました。

その場合は第8頚椎神経根の障害になるので、斜角筋に異常が出ていないか確認をしたところ、左前頚部の筋肉の緊張があることがわかりました。

次に東洋医学的に診断すると、小指の経絡は、心・小腸と関係があり、その表裏関係から腎・膀胱の影響を受けていることが考えられます。

実際に「腎」の調整を行うことで、左前頚部の緊張が緩和し、右の小指の痺れはずいぶんと改善しました。

治療回数を重ねたことで小指の痺れはほぼ完全に消失しました。

これで頚椎の調整は完了したと安堵した頃、今度は親指に痺れが出始めました。

これにはさすがにショックを受けました。

先ほどの「腎」の調整では、まったく治療効果が出ないからです。

そのため、別の原因がどこかにあるはずなので、見落としているかもしれない反応を探す必要が出てきました。

もう一度、思考をリセットして、最初から診断のやり直しです。

親指の痺れは、正中神経の障害を疑うことになります。

その場合は、手根管症候群、いわゆる腱鞘炎ということになります。

本人曰く、仕事でかばんを持つことが多いということなので、可能性は十分にあります。

しかし、小指から親指へ痺れの移動ということから、頚部の神経根と見たほうが理屈に合うように想い、第6頚椎をじっくり触診したところ、やはり左側に筋緊張があります。

ここで全体の体表観察に戻り、現在出ている反応で調整してない経絡がないか細かく探ることにしました。

親指が痺れるようになって、脾の臓腑に反応が出るようになっていたことから、ここが親指と関係するのではないかと検討をつけました。

ツボは左足の公孫を使用し、右手親指の痺れが変化するのか置鍼して様子をみました。

しばらくすると、痺れが減少し、ほとんど消失しました。

予想通りの治療結果に、私にとっても非常にうれしかった症例のひとつです。

脾の症状は、暴飲暴食と関係します。

ちなみに親指と関係する経絡は、肺・大腸となり、脾・胃とは表裏関係です。

一見、消化器と関係がないように思える親指ですが、このように痺れの症状の原因になることが今回の治療ではっきりとわかったことは貴重な経験となりました。