- 大坂本町鍼灸 和鍼治療院 小島秀輝
コロナウイルス 2
国立感染症研究所(NIID)の情報によりますと、コロナウイルスにはすでに6種類あることが分かります。
その内の4種類は、特に危険な病原体ではないので感染症法での指定はありません。
日常的に人に感染し、風邪の10〜15%(流行期35%)はこれらを原因とします。
流行のピークは冬期で、ほとんどの子供は6才までに感染を経験します。
多くの感染者は軽症ですが、高熱を引き起こすこともあるようです。
残りの二種類はSARSとMERSです。
これら二つのウイルスは、感染症法に基づき二類感染症に分類されています。
感染者には感染症指定医療機関への入院措置がとられ、陰圧管理された病室での治療を受けることになります。
疫学検査も受けることになり、感染経路や接触者が特定されます。
今までの医療機関の対応から考えて、今回の新型コロナウイルスは、これらと同じ二類感染症と同じ扱いとなっているのではないでしょうか。
ちなみに2月1日の時点で、指定感染症と検疫感染症に指定されています。
SARSやMERSは、他の4種類のタイプが「風邪」とされているのに対して、「呼吸器症候群」という病名が付いています。
SARSは重症急性呼吸器症候群、MERSは中東呼吸器症候群となっています。
どちらとも、糖尿病等の慢性疾患、高齢者が重症化しやすいところが懸念されます。
この特徴に関しても、今回の新型コロナウイルスが類似していることがわかります。
子供や一般の人に重症化した人が少ないことから、新型コロナウイルスに関しても慢性疾患や高齢者の人の治療に意識を向ける必要を感じます。
今回のコロナウイルス(COVID-19)は、青少年の重症化が少ないとの報道があります。
真実のほどは定かではありませんがもしもそうであるのならば、感染症法で指定のない4種類のコロナウイルスと同様、普通の風邪の範疇との考え方もできるように思います。
感染予防のことばかりが注目されていますが、最大の問題は感染後のことだと思います。
新型ということで慌てる理由のひとつは、現時点で治療法がないという点です。
ワクチンや抗ウイルス薬に頼る西洋医学の治療法では、この新型のウイルスに対抗する術はないようです。
そうなると次なる対処療法として用いられるのが、喘息薬であるステロイドなどの代替療法です。
これらは本来の目的とは異なる理由で使用するのであり、慎重に用いることが重要です。
そのため臨床試験に時間が必要となるため、すべての病院で認可されるまでには日にちが必要となります。
結局のところ、感染後の様態悪化で肺炎にまで至った場合、従来の肺炎患者さんへの対応を行うしかないの現状ではないかと思います。
これでは、医学知識の乏しい一般の方はパニックにならざるを得ません。
そこで提案があります。
感染症といえども、病気のひとつであることに違いはありません。
「病気を治す力」はどこにあるのか考えてみると、ウイルスへの偏見も少し変わるかもしれません。
絵 国立感染症研究所より