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湿布とアイシング

大阪本町和鍼の不妊治療

捻挫などの障害に対して、最善の処置をするために必要な行為とは、炎症を速やかに取り除くことなのです。

炎症の徴候には、痛み、発熱、腫脹、発赤、機能障害の5つがあります。

このうち、湿布薬が対応しているのは痛みの抑制だけなのです。

そのことは湿布薬の開発経緯をみると一目瞭然です。

湿布薬は、「第一世代」と「第二世代」に区分けされています。

「第一世代」は、消炎鎮痛成分であるサリチル酸メチルを主成分とし、メントールで冷感刺激、トウガラシエキスで温熱刺激を与えるようになっています。

「第二世代」は、インドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使われることで、鎮痛効果が高まりました。

どちらの湿布薬も鎮痛効果が目的であり、炎症を取り除く役割はありません。

このことが、症状の悪化を誘発する原因になります。

 

捻挫などの急性の炎症に対して、最も重要な処置は、発熱や発赤、腫脹を取り除くことです。

これらを放置すると、ケガからの回復が非常に遅れることになり、のちに機能障害で悩む可能性も高まります。

湿布薬には冷感刺激が含まれているものがあり、患部の熱を逃がしてくれるような錯覚を抱きますが、残念ながら皮膚表面の熱を少し取ることができるだけです。

わかりやすい例を上げますと、缶ジュースを冷やしたいときに、氷であれば冷やすことができますが、一方の湿布薬で冷やすことができるでしょうか。

関節の炎症をしっかりと取り除くためには、関節深部まで冷却する必要があります。

それに最も適している素材は、どこでも手に入れることが可能な「氷」なのです。

スポーツ界では、氷によるアイシングは常識となっていて、医療業界でアイシングの知識が普及しない現状は異常であると思っています。

アイシングはケガの悪化を抑制するだけでなく、回復も促進します。

また、運動後の疲労回復にも絶大な効果を発揮します。

アイシングを含めて、「RICE」の知識は身に付けて欲しいともいます。

 

 

アイシングの際に気を付けて欲しいことがあります。

それは、患部を冷やす際に、アイスノンや保冷材を使う人がおられることです。

アイスノンではジェル状の冷却材が入っていて、凍らすとマイナスの温度にまで下がってしまいます。

マイナスの温度まで低温となった物質は、相手を凍らせる力を保持することになりますから、凍傷の危険性が出てまいります。

日常の診察において、アイスノンで凍傷を起こしてしまった人を数多く診ています。

氷の場合、0度以下にはなりませんので、安心して利用することができます。

安価で、安心して使える氷こそが、炎症を起こした時に最適なのです。

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