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湿布薬

大阪本町和鍼の不妊治療

日本では非常に普及している湿布薬ですが、欧米では使われることはほとんどありません。

厚生労働省による調べでは、病院関係にて一回で処方される湿布の枚数は70枚を超えるようで、延べ30万人/月もの患者さんに出されています。

年間の医療費として数十億円にもなるそうです。

2016年4月の診療報酬改定を機に、湿布の枚数が制限されることになります。

 

学生時代にアメリカンフットボールを経験し、捻挫や打撲などのケガの改善に湿布薬の効果がないことを知りました。

湿布薬には、鎮痛効果をもたらすインドメタシンなどの薬効成分が含まれていますが、肝心の関節深部の炎症を除去する作用はありません。

むしろ皮膚表面を覆うために、炎症による熱が逃げるのを阻害し、回復を遅らせてしまうことになりかねません。

スポーツの世界では急性の怪我の場合、氷によるアイシングをするので、湿布薬を使うことはありません。

大学を卒業して20年以上の月日が経過しましたが、「湿布薬への信仰」が今も続いていることが不思議でなりません。

湿布薬について正しい知識が要るように感じます。

湿布薬がこれほどに使われる理由はどこにあるのでしょうか。

捻挫や打撲の際に、必ず患部に「炎症」が生じます。

炎症には5大徴候と呼ばれる反応があり、「痛み」はその一つにあたります。

痛みは誰にとっても不快な症状であり、それを取り除くことが医療の目的の一つです。

湿布薬には鎮痛作用をもたらす薬剤が含まれているので、痛みを緩和させる効果は期待できます。

後ほど詳しく紹介しますが、湿布薬には「第一世代」と「第二世代」があり、最近では鎮痛効果の高い非ステロイド性抗炎症薬を含んだ貼付剤である「第2世代」が主流となっています。

その非ステロイド性抗炎症薬の一つに、「インドメタシン」があります。

多くの第二世代湿布薬に使われていて、炎症を引き起こす物質である『プロスタグランジン』の産生を阻害することで、患部の痛み・腫れを和らげて発熱を抑制します。

強い鎮痛作用があるので、痛みを抑制するには最適かもしれませんが、筋肉を委縮させる副作用や、アレルギー反応、胃の粘膜への刺激による胃腸炎などの報告もあり、

喘息を罹患している人は使用できない欠点があります。

確かに、長期に湿布薬を使用している人の中に、筋肉の痛みを訴える方が非常に多いように感じます。

それらの方の多くが、その痛みを湿布薬が取り除いてくれると信じているのですが、むしろ実際は、湿布を貼ることを止めることによって改善するケースがよくあります。

貼ってる間は、スーとして効果があるように感じるそうですが、それは炎症による熱を取り除いているのではなく、湿布薬に配合されているメンソールによるところが大きいのです。

湿布薬を貼ると、湿布自体が温かくなっているのに気づくと思います。

それは、湿布が関節内部の熱を取り除いているわけではなく、湿布によって閉じ込められた患部の炎症によって、逆に湿布が温められているようなものです。

皮膚から関節内部まで炎症が広がり、応急処置としてはよくありません。

 

副作用による筋肉の萎縮は、初期の症状とは異なる病を引き起こしていることであり、「医原病」を招いていることになります。

湿布を使用することで、初期の症状に加えて、医原病による筋肉の萎縮までも治療する必要が生じてしまい、結果的に治癒までに時間がかかることが想定されます。

安易に長期に渡って湿布薬を使うべきではないことが分かっていただけると思います。

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