top of page

東洋医学の特徴

健康と病

 東洋医学の診断

 

時折、「鍼灸はクセになりませんか?」と聞かれることがあります。

この質問には、「クセになることはありえません」と即答しています。

なぜなら鍼灸治療は、依存性のある麻薬のようなものではないからです。

依存性の危険性は、むしろ対症療法として用いられる西洋医学の薬の方ではないでしょうか。

目先のQOLを改善するために一時的に対処療法に頼ることは良いとしても、慢性化している症状に対していつまでも対症療法を続けることは病の回復を遅らせることになります。

頭痛や生理痛の度に薬を使い続けると、薬の効き目が低下することになります。

薬の服用回数が増えたり、副作用の危険性が高いような薬を求めたりと、薬への過度の期待と依存度が高まります。

このようなことから、対処療法に頼ることは、薬への依存度を高めることになることが分かってもらえるのではないでしょうか。

 

東洋医学の診断は「病名」を特定して、それに対応するような治療ではありません。

西洋医学の「対処療法」とは全く異なり、病の本質を改善する「根本療法」が東洋医学の特徴と言えます。

病の本質を見つけるために、東洋医学が用いる診断は「証」と呼ばれています。

「証」を導くためには、病の性質や病に侵されている人の体質、病によって侵されている場所、季節の変化、環境の影響など、様々な要素を総合的に考察し、身体の表面(皮膚・舌・脈など)に現れる様々な反応から解る情報と照らし合わせることを行います。

しかも「証」に基づく治療を行い、その効果を確認することにより、「証」そのものに誤りがないかを確かめることも同時に行います。

これにより、正確な治療の方向性が定まり、誤診や副作用などで苦しまないように未然に防ぐことができますし、的確な治療を行うことで身体への負担も最小限度に減らすことができます。

東洋医学には「診断即治療」の言葉があるのですが、診断がそのまま治療となることで、証と治療の関係が切っても切れないものであることをあらわしています。

このように「証(診断)」と「治療」はまさに「表裏一体の関係」であり、病の推移と同じくして変化することもあります。

bottom of page