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医女の資質

大阪本町鍼灸 

「第33話 うぬぼれ」を参考にして、東洋医学についてご紹介します。


師匠のハン・ペギョンとチャングムは、チェー一族の謀略によって、水剌間(スラッカン)を追い出され、奴婢として流刑となり、済州島へ送られることになりました。
途中、ハン・ペギョンが拷問による傷が元で亡くなり、失意のどん底へとチャングムは陥ります。
しかし、済州島にてチャンドク(女医の資格を持つ女性)と出会うことにより、医術を学ぶことができました。
宮中へ戻ることをあきらめなかったチャングムは、医女試験を受けることを決意します。
その試験で、彼女に課せられた最初の問題は、「お前にかたきがいるとして、不治の病で診察に来たら、かたきを助けてやるのか、それとも見捨てるのか。」というものでした。
その質問に「私はどうするか、心を決めかねます。」と答えたチャングムでしたが、なんとか試験に合格し、医女としての修練を始めるところから話は始まります。

修練生となったチャングムは、シン・イクピル教授からいきなり不可を一つ付けらてしまいます。
理由は、チャングムが医学の資格もないのに、患者を治療した経験があることを知られていたからです。
シン教授から「医術を志す品性もかけらもない」と強い非難の言葉を浴びます。
ハン尚宮(サングン)の無罪を明らかにし、無念の想いを晴らすためにも、何とか医女として宮中に留まりたいチャングムは、必死でシン教授の誤解を晴らそうと頑張ります。
ところがチャングムが頑張れば頑張るほど、シン教授のチャングムへの接し方は厳しいものとなっていきます。
ある時、シン教授はチャングムに対して、「医師は意地でなるものではない、悪あがきは止めなさい。」と諫めつつ、さらに「医者には、聡明な人間より、深みのある人間がなるべきである。深みを持ちなさい。」と諭すのでした。

チャングムは、宮中に再び戻る手段として、医女になる道を選びました。
医女を志す動機に問題があることや、自分の知識に傲慢になり患者と向き合う謙虚さを失っていることをシン教授は見抜いており、厳しい試練をチャングムに課すのでした。
そんな時に、チャングムとシンビ(同期の友人で、チャングムの良き理解者)の二人が、シン教授から三人の女性患者の診断をするように言い渡されます。
チャングムは、早速、望診によって、患者の様子を「顔色が黄色く、腹部が大きく膨らんでいるのに、手足は痩せている」と述べて、脈診においては「堅脈」であることを診断します。
シンビも少し遅れて同じ診断をするのですが、自信がない様子。
腹部を丁寧に切診しようとするも、手つきがなれないため、患者に不快な想いをさせてしまいます。
即答で診断したチャングムに対して、慎重に診断するシンビという図式が浮かび上がります。
一見、チャングムの優秀さが際立つのですが、診断に時間をかけて正確さを重視するシンビにこそ、医女としての素質があるように映ります。
シン教授はシンビの慎重さを高く評価するのでした。

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