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病の実態

大阪本町和鍼の不妊治療

病を治す力は、本来、一人一人の自然治癒力によるところが大きいです。
それでも症状が治りにくいことや、治療による処置を行う方が治癒しやすくなることがあります。

そんな時に助けになるのが、「手当て」としての医療です。
医療とは治癒力を助けるものでなければならないと、常々思っております。

そこで医療を行う際にまず必要なことは、「病の実態を把握する」ことです。

その姿勢や基準は、西洋医学でも東洋医学でも同じです。
病の実態とは、「いつ、どこが、どのようにして、どうなったのか」をはっきりさせることです。
つまり、病期、病気の場所(部位)、病気の理由(原因)、病気の状態(病態)の四つを調べて、病気の姿を明らかにしようとする試みです。

 

例えば、咳があって、黄色い痰が出て、発熱があり、西洋医学の内科を訪ねたとします。

その診察結果が「肺炎」となり、先ほどの「病の実態」を明らかにしてみると、

「肺炎球菌という細菌が原因となり、肺が炎症を起こして、その極期、つまりは症状がもっとも盛んになる時期」ということになります。

これは西洋医学が考える病気の実態の捉え方です。

 

東洋医学は、西洋医学の診断に加えて、「証」という考え方を用います。

病は自然現象と同じように変化していきます。

神羅万象、万物は変化するという思想が東洋医学にはあり、病の変化を捉えることに重点をおいて、治療を行います。

そのために用いるのが「証」ということになります。

 

肺炎の場合、痰の色に着目すると、白色から黄色、その後痰が減少してカラ咳へと変化していきます。

西洋医学ではこのように変化があっても肺炎として治療法が変わることはりません。

肺炎は、初期から極期を経て、回復期になっても、肺炎のままなのです。

東洋医学はこの変化を治療に反映させることになります。

痰の色が白い間は、肺に水分(痰)が溜まっている状態(肺湿証)となります。

痰の色が黄色くなると、肺の水分に熱が加わった状態(肺熱湿証)です。

カラ咳は、肺の水分が不足した状態(肺陰虚証)を示します。

このように同じ肺炎であっても、痰の状態から病の解釈が異なり、それに応じて治療方法を変えることになります。

 

東洋医学が病に対して的確な治療ができる理由、それは「証」に基づいた治療を行うところにあります。

 

 

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