「歯の噛み合わせ」にこだわること
「歯の噛み合わせが悪い」と歯科医に診断されて、長期に渡って治療を受けている方から相談を受けることが時々あります。
噛み合わせにトラブルを抱えている方の身体をみると、部分的には、当然のように歯の噛み合わせが悪いことが多いです。歯科医がそのように解釈することは、私にもわかりますが、原因が歯や顎にだけ関係しているかどうかが重要です。
歯科医の中には、「噛み合わせを治せば、身体の歪みが治る」とおっしゃる方がおられます。歯と身体の歪みという、木と森の関連性に気づいておられることには共感しますが、部分から全体を治すことは容易ではありません。
噛み合わせを治すために、身体全体を調節することの方が重要であることが多いように思います。
全体性について
歯の噛み合わせ
噛み合わせを治すのに、全体から調整する方が良い理由
私たち人類は二足で状態を保持できるようになり、頭を地球に対してほぼまっすぐの位置に置くことが可能になりました。
他の類人猿と大きく異なるところが、二足歩行が可能となったことです。
体幹の中心に頭部を載せているいるのは、人類だけです。
直立時には、頭部を支えるために、足の関節から上に向かって首の関節までが順番に、微妙なバランスを保つように働きます。
どのような建物でも言えることですが、下の層が歪めば上の層の歪みはひどくなっていきます。
顎関節が頭部という上層部にあることを考えると、その歪みの原因は、首から下のどこかの関節にあるとみることに正当性があるように思います。
私たちが重力に逆らって、地球上で生活をしていることを念頭に置けば、歪みは下から生じるからです。
そこで重要になるのは、骨盤、背骨の配置です。
東洋医学には、背骨の両サイドに五臓六腑のツボがあり、内臓の不良があるときにはそれと関連するツボに反映されることがわかっています。
それは筋肉の緊張であったり、ツボの発汗、温度差などによって確認が可能です。
ある臓器にトラブルがあり、背中のツボに反応が出ると、背骨にも歪みが生じます。
それが頭を支えることに影響を及ぼし、頭が中心に近づくように骨盤が働きます。
骨盤は上半身の歪みを調整する重要な部位であり、骨盤のゆがみを足首や膝でコントロールしています。
膝や足首は、骨盤よりも下にある関節なので、本来なら骨盤に影響を与えます。
しかし一方で、骨盤の傾きを調節する役割があるために、骨盤の歪みの影響を逆に受けやすいところでもあります。
実際に、膝関節のトラブルは、骨盤の歪みを整えることで治ることが非常に多いのです。
このことは、カイロプラクティックなどの整体治療においても重要視されており、直接に関節にアプローチすることで調節しています。
ただし、歪みがきつい場合や、頑固に凝り固まっている場合は、調節が難しく、強引な手技で治療後に悪化した方を多く診てきました。
しかも内臓にトラブルがある場合などは、骨盤の矯正だけでは完治するのは難しく、なかなか改善しない方もおられました。
一方、和鍼治療院では、東洋医学的にツボの作用を駆使して、気の調節で骨格を矯正していきます。
身体にかかる負担が少なくすみますし、無理せずソフトに調整が終わるので誤って痛める可能性はありません。
また、内臓にトラブルがあって、背骨の歪みが骨盤に影響している場合でも、鍼灸治療は最適な治療法ですから、すっきりと改善していただくことが可能です。
確実に、安全に調整するなら、和鍼治療院の鍼灸治療による骨格矯正がお勧めです。