【症例紹介・前編】ペルテス病の後遺症に悩んだ60歳男性
- 6月8日
 - 読了時間: 2分
 
更新日:9月15日
― 東洋医学的アプローチによる回復への第一歩 ―
こんにちは、和鍼治療院です。今回は、小児期にペルテス病を患い、その後長年にわたって後遺症に悩まれていた60歳の男性患者様の症例をご紹介いたします。
■ ペルテス病とは?
ペルテス病は、大腿骨頭への血流が一時的に途絶えて骨が壊死する疾患で、3〜12歳の小児に発症し、特に5〜8歳の男児に多いとされています。日本では1万人に1人程度の割合でみられる比較的まれな疾患です。
一度壊死した骨は再形成されますが、その過程で骨の形が変わってしまうことがあり、股関節の可動制限や痛み、脚長差、跛行(はこう)などの後遺症が残ることも少なくありません。
■ 来院時の状態とお悩み
患者様は小学4年生でペルテス病と診断されました。60歳になった現在も後遺症に悩まれており、次のような状態で来院されました。
【身体的症状】
- 左股関節の変形と拘縮(外転不能、内転わずか)
- 左膝の屈曲制限
- 約3cmの脚長差
- 大腿部の著しい筋萎縮
- 骨盤の左右差、腰椎の可動制限
- 跛行(足を引きずるような歩き方)
【心理的背景】
40代まではテニスを楽しむほど活動的でしたが、年齢とともに股関節の可動域が年々悪化。身体が思うように動かなくなることへの焦りと不安が募っていました。
「このままだと車いす生活になるのでは」と将来を案じ、運動ができないことへの苛立ちと閉塞感を抱えて来院されました。
■ 和鍼治療院のアプローチ
当院では、患部への局所鍼を行わず、東洋医学の「証(しょう)」に基づいて全身のバランスを整える施術を行います。
この方の証は、体質そのものは丈夫である一方、長年の負担によって気血の巡りが滞り、全身のバランスに歪みが生じていました。
特に、股関節・腰・骨盤周辺の気血の巡りを改善するため、腎経・肝経・脾経に重点を置きました。
■ 初期治療による変化
治療を重ねる中で、次のような変化が見られました:
- 膝関節の屈曲が90度まで可能に
- 股関節の外転が10〜15度に改善
- 骨盤の前後運動が可能に
- 歩行が安定し、疲労感が軽減
▶️ 後編へつづく…



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