東洋医学の特集 ①
- 1月28日
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「象」──和鍼治療院の診断について
東洋医学では、診断をとても大切にします。それは「病名を決めるため」ではありません。今、この人の身体がどのような状態にあるのかを、正確に理解するためです。
和鍼治療院の治療は、ここから始まります。
身体は、常に何かを語っている
体調の変化は、必ずどこかに現れます。顔色、皮膚の質感、舌の色や苔、眼の輝き、声の張り。髪の潤い、爪の状態、姿勢や動作の癖。
さらに、患者さんご自身が訴える主な症状――肩こり、腰痛、不眠、冷え、動悸、胃腸の不調。そして「病名がつくほどではないが、なんとなくつらい」という不定愁訴。
尿や大便、汗の出方、月経の状態など、日常の生理現象にも、はっきりとした変化が現れます。
東洋医学では、こうした身体に現れてくるすべての現象を「象(しょう)」と呼びます。象とは、身体の内側で起きている変化が、外に表れた“姿”です。
一つひとつを見るのではなく、すべてを「つなげて」診る
和鍼治療院の診断の特徴は、これらの象を個別に評価するのではなく、全体として読み解く点にあります。
例えば――同じ「肩こり」という症状でも、
冷えやすく、疲れやすい方
イライラが強く、眠りが浅い方
食後に重だるさが出る方
では、身体の状態はまったく異なります。
表に出ている症状だけを見てしまうと、治療は似通ってしまいます。しかし、象を総合的に捉えることで、「何が乱れているのか」「どこを立て直すべきか」がはっきりしてきます。
弁証とは、治療の精度を高めるための整理である
集めた象をもとに、現在の身体の状態を整理し、治療の方向性を定める。これを東洋医学では**「弁証(べんしょう)」**と呼びます。
弁証があるからこそ、症状が同じでも、治療内容は人によって変わります。
刺激の量、使う経穴、治療の順序。さらには「今は治療よりも休養を優先すべきかどうか」といった判断も含まれます。
弁証とは、技術を誇示するためのものではありません。過不足のない、意味のある治療を行うための土台です。
診断力こそが、東洋医学の強みであり、和鍼治療院の核
現代は、検査や数値が重視される時代です。それ自体は非常に重要ですが、数値に表れない不調が確かに存在するのも事実です。
和鍼治療院では、「異常なし」と言われたその先にある違和感やつらさを、象として丁寧に読み取ります。
しっかり診る。急がず、決めつけず、全体を捉える。
その積み重ねが、「よく話を聞いてもらえた」「自分の身体を理解してもらえた」という安心感につながり、回復への大切な一歩になります。
和鍼治療院の治療は、診断からすでに始まっているのです。

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