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坐骨神経痛と向き合う ― 養生篇

  • 9月19日
  • 読了時間: 2分
和鍼治療院
和鍼治療院

※こちらは「治療篇」と対になる内容です。

治療篇では施術や体表観察の重要性を述べましたが、この養生篇では「ご自宅でできる工夫」を中心にまとめています。治療と養生を合わせて実践することで、より早い回復と再発予防が期待できます。

坐骨神経痛は、お尻から足にかけて痛みやしびれが走るつらい症状です。多くの方は「筋肉のこわばりが原因」と考えがちですが、私の臨床経験では、それだけでなく内臓の疲労や全身のバランスの乱れが深く関わっていることを実感しています。ですから養生においても、単に痛む場所を温めたりストレッチするだけでは十分ではありません。体質や季節に応じた工夫が大切になります。

1.腎を養う

東洋医学で腎は「生命力の源」とされ、腰や下肢を支える力を司ります。腎が弱ると、腰や坐骨神経に負担がかかりやすくなります。

  • おすすめ食材:黒豆、山芋、くるみ、黒ごまなど。

  • 生活の工夫:冷たい飲み物を避け、腰や足元を冷やさない。ぬるめのお風呂でじっくり温まる。

2.脾胃を守る

脾と胃は食べたものを消化し、全身にエネルギーを送る役割を持ちます。弱ると筋肉が硬直しやすく、坐骨神経痛が長引く要因となります。

  • おすすめ食材:おかゆ、蒸し野菜、かぼちゃ、生姜など。

  • 生活の工夫:冷たい飲食を控え、夜遅い食事を避ける。食べすぎより「腹八分目」を心がける。

3.肝の巡りを整える

肝は気血を巡らせ、筋や腱のしなやかさを保ちます。ストレスや不規則な生活で肝が乱れると、筋肉がこわばり痛みを助長します。

  • おすすめ食材:しそ、セロリ、柑橘類、陳皮(みかんの皮を乾燥させたもの)など。

  • 生活の工夫:軽い散歩やストレッチで気を巡らせる。深呼吸や趣味の時間を取り入れ、心身をリラックスさせる。

4.季節に合わせた養生

夏の終わりから秋にかけては、胃腸が弱りやすく、腎の力も消耗しやすい時期です。この時期の坐骨神経痛は、冷たい飲食や夏の疲れが影響していることが少なくありません。温かい汁物やお茶を取り入れ、ゆったりと休息をとることが回復への近道です。

まとめ

坐骨神経痛に対する養生は「証」に合わせることが大切です。万人に同じ方法をすすめるのではなく、その人の体質や季節の影響を見極めて整えていくことが、痛みの再発を防ぎ、健康な生活を取り戻す助けとなります。

和鍼治療院では、治療とあわせて「その方に合った養生法」を丁寧にお伝えしています。施術だけでなく、日常の工夫を積み重ねることで体はより健やかになります。坐骨神経痛にお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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