春に増える不調
- 2 時間前
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その「肩の痛み」は花粉症の延長かもしれません
春になると、毎年決まって体調を崩す。病院で検査を受けても「特に異常はありません」と言われる。それでも、肩や首が痛む、身体が重い、眠りが浅い――。
こうした相談は、立春前後から急に増えてきます。
現代医学の検査は非常に優秀ですが、季節の変化に伴う機能的な乱れは、数値には表れにくいことが少なくありません。だからこそ、「気のせい」「疲れでしょう」で片づけられてしまうケースも多いのです。
肩の痛みの始まりは、花粉症だった
先日来院されたのは、20代の男性。大学でラグビー部に所属し、日常的に激しいトレーニングを行っています。
1月中旬、例年より早く花粉症を発症。数日後から左肩に違和感が出始め、2月に入ると痛みは増悪。夜も眠れないほどになり、来院されました。
脈診と問診を重ねると、肩だけでなく、ふくらはぎ、脇腹や背中に強い緊張が存在していました。
東洋医学では、春は「木気(もっき)」が一気に立ち上がる季節。このエネルギーは「肝」と深く関係し、気の巡り、筋や腱の柔軟性、緊張の調整を担います。
花粉症もまた、この春の気の高まりに身体が過剰反応している状態と捉えることができます。
つまり彼の肩の痛みは、花粉症とは無関係な別の問題ではなく、その延長線上に現れた症状だったのです。
昔は「中風」と呼ばれていた春の不調
かつて東洋医学では、このような春に起こる多彩な不調を「中風」という言葉で広く捉えていました。
鼻水やくしゃみだけでなく、
肩や首の痛み
背中や脇腹の張り
めまい、頭の重さ
気分の落ち込みやイライラ
なども含め、風(環境変化)の影響を受けた状態と考えていたのです。
現代では「花粉症」という言葉が定着しましたが、症状の現れ方は、決して鼻や目だけに限りません。
偏った鍛え方が、春は逆効果になることも
興味深かったのは、彼のトレーニング内容です。肩が痛くて力が入らないため、体幹を重点的に鍛えていたといいます。
一見、合理的な判断ですが、春という季節を考えると注意が必要です。
木気の運行は、脇腹を経由する経絡を通ります。春はこの部分がもともと緊張しやすい時期。
本来なら「緩めて巡らせたい」タイミングに、体幹へ集中的な負荷をかけたことで、気の滞りがさらに強まり、結果として肩の痛みにつながった可能性が考えられます。
春は、鍛えすぎても、動かなさすぎても、バランスを崩しやすい季節なのです。
春の過ごし方で大切なポイント
春に意識したいのは、「部分」ではなく「流れ」。
偏った部位だけを酷使しない
深い呼吸で胸・脇腹をゆるめる
ひねる、伸ばすなど、巡りを促す動きを取り入れる
気分の停滞やストレスを溜め込みすぎない
特に、気持ちの停滞は肝の働きに直結し、身体の緊張として現れやすくなります。
「最近、理由もなく調子が悪い」それは怠けでも老化でもなく、季節に身体が追いついていないサインかもしれません。
症状は、身体からのメッセージ
今回の症例では、一回の調整で肩の痛みはその場で消失しました。もちろん、これで完治ではありません。しかし、常に痛みに耐えていた表情が和らぎ、「やっと楽に呼吸できる」と話された姿が印象的でした。
東洋医学では、症状を「敵」ではなく、身体からのメッセージとして受け取ります。
検査では異常が出ない。でも、確かにつらい。
そんな春の不調こそ、流れを整える視点が必要です。
和鍼治療院では、季節・体質・生活背景を含めて、身体全体を診ていきます。
春になると毎年つらくなる方、原因のはっきりしない痛みや違和感を抱えている方は、一度、身体の声に耳を傾けてみてください。



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