原因療法のススメ
消炎鎮痛剤の誘惑
大きなつづみには、魑魅魍魎が居ることを忘れてはいけません。
実際に痛み止めを連続投与することで、交感神経が常に亢進することになり、頻脈、高血圧、末梢の循環不全、消化器の粘膜破壊、関節のさらなる変形、尿量の低下、腎障害、白内障、不眠、易疲労、食欲不振、便秘、口渇、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、多臓器不全、発癌など、寿命の短縮へと導かれていきます。
消炎鎮痛剤を服用することで、あらゆる病気のリスクが高まることがよくわかります。
そして、高血圧や粘膜の破壊など、老人が服用する薬がいくつも必要となるメカニズムもわかる気がします。
降圧剤、循環改善剤、睡眠薬、下剤、胃薬など、消炎鎮痛剤と併用して処方されている薬がいかに多いことでしょう。
過去の既往歴をみてみると、関節リウマチから病気がはじまり、喘息などの病気が加わったことが推測されます。
今回の副作用としては末梢の循環器への影響甚大で、喘息の再発、唇の色の悪化、足と手の手指の冷え、足底の関節痛、股関節や肩関節の痛みなど、身体全身へと波及しています。
薬を服用してから2日後の晩にこれらの症状が出たことは、薬によって抑制されていた痛みを再び感じるようになったことと、薬によって増多した免疫系の顆粒球があちこちの関節組織を破壊したことによるものだと理解できるでしょう。
交感神経の刺激による顆粒球の増加は、胃や関節などのあらゆる組織を破壊します。
今回、問診、脈診の両方において、Tさんの胃の粘膜への影響を確認していません。
しかし、消炎鎮痛剤を服用して胃を悪くした人をたくさん診てきた治療経験があります。
とくに急性腰痛の場合は注意が必要で、消炎鎮痛剤を服用後に痛みが増加するケースは決して珍しくはありません。
たった1錠とはいえ、これほどの影響力があるのですから、使用する際は使用上の注意をよく見て、よく考えて使うことをおすすめします。
そして、添付書にもあるように、根本原因を治す方法があるのであれば、そちらを選ぶことが大切です。
東洋医学には、病を根本から治す考え方がありますから、お困りのことがあれば、一度、相談に来られてはいかがでしょうか。