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薬と毒
副作用がないと誤解されていることが多い漢方薬ですが、生薬は用い方によって、薬にも毒にもなるので、正しく使用することが大切です。
東洋医学の薬の考え方を知らずに服用すると体調を崩す原因になるので注意が必要です。
古代中国で薬を分類した最も古く、有名な書物は「神農本草経」です。
紀元50~200年頃の後漢中期に書かれた薬学書です。
漢方薬の性質や働きは、一つ一つ異なっており、同じような性質や働きのあるものを集めて分類し、治療に役立ててきました。
薬の効能が詳しくわかるにつれて、上・中・下の三種類に分類されました。
上薬とは、毒性が低く、長期に服用が可能である薬です。
山芋や生姜など日常的に食卓で食べるものも多いのも特徴です。
生命力である正気を高める作用があり、虚証を改善する補益が目的となります。
中薬には、毒性のあるものとないものがあります。
また、生命力を高めるものと、邪気を払うものがあるので、使用方法には注意が必要です。
虚証と実証の両方に用いる薬で、前者には百合や当帰、鹿茸があります。
後者には黄蓮や黄芩、麻黄などがあり、麻黄は葛根湯にも使用されています。
風邪で多用される葛根湯にも毒性があることに注意が必要です。
下薬とは邪気を取り払う薬で、実証に使用する攻撃的な薬剤と言えます。
毒性が強いため、使用には正しい証を導くことが重要で、診断には慎重さが必要です。
長期使用は避けるべきで、治癒の後は使用をすぐに中止する必要があります。
大黄や附子があります。
あえて言うならば、西洋医学の薬剤はこの範疇に入りますので、副作用などに気を配る必要があるのです。
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