大寒
- 1月19日
- 読了時間: 3分

20日から大寒 ―― 寒の入りでも最も寒い時期がやってきます
明日から二十四節気の「大寒」。一年で最も寒さが厳しいとされる時期に入ります。
小寒から始まった「寒の入り」も、いよいよ本番。暦の上では冬の最後の節気ですが、体感としては“冬の底”とも言える時期です。
昔の人は、この大寒を特別な目で見ていました。「寒さは極まれば、必ず緩む」大寒は、春へ向かう直前の“静寂の極み”でもあるのです。
実際、自然界を見渡すと面白い現象が起こります。川の水は凍り、空気は澄み、音までもが遠くまで響く。雑音が消え、物事の本質がはっきりと現れる季節――それが大寒です。
この時期に仕込む味噌や醤油が美味しくなるのも、寒さが雑菌の繁殖を抑え、発酵を安定させるから。
つまり「寒さ」は、ただ厳しいだけではなく、整える力・純化する力を持っているのです。
しかし――人の身体にとっては、話が別になります。
大寒に増える不調の特徴
この時期、臨床で特に多くなるのが
・腰痛、坐骨神経痛の再燃
・首肩の強いこわばり
・夜間頻尿、冷えの悪化
・寝ても疲れが抜けない
・気力が出ない、やる気が落ちる
といった症状です。
東洋医学では、大寒は「腎」が最も試される時期とされます。
腎は
・生命力
・成長と老化
・骨、耳、腰
・恐れや不安といった感情
これらすべてと関係します。
寒さが深まるほど、腎のエネルギーは内へ内へと引き込まれ、少しの無理が一気に表面化しやすくなる。
年末年始の疲れ、睡眠不足、暴飲暴食。それらが“静かに蓄積され”、大寒に入った途端、症状として噴き出す方が非常に多いのです。
「急に悪くなった気がする」そう感じる方ほど、実は“突然”ではありません。
身体は、ずっと前からサインを出していたのです。
大寒の養生 ―― 「頑張らない勇気」
この時期の養生で、最も大切なのは新しいことを始めないこと。
現代では「一年の計は元旦にあり」と言われますが、東洋思想では真逆です。
冬は“動かない季節”。
大寒は、無理に前へ進むよりも・早く寝る・身体を冷やさない・夜の予定を減らす・考えすぎない
この「減らす養生」が何より重要になります。
特に夜更かしは、腎を最も消耗させます。たとえ睡眠時間が同じでも、日付をまたぐ生活は、身体にとって大きな負担となります。
「最近、老けた気がする」「回復が遅い」そう感じる方ほど、まずは睡眠の質を見直してみてください。
大寒こそ、治療の価値が高まる時期
そして、この時期は鍼灸治療の効果が非常に出やすい季節でもあります。
寒さによって気血は深部に集まり、表面ではなく“根”にアプローチできるからです。
特に、
・慢性的な腰痛
・長年の冷え
・自律神経の乱れ
・年齢とともに感じる衰え
こうした症状は、春になってから整えようとしても、実は遅いことが多い。
冬のうちに「腎を補い、芯を温める」ことで、春の不調そのものを防ぐことができます。
大寒は、治すというより一年の土台を作る治療の時期。
ここで身体を整えておくと、春の花粉症、めまい、情緒不安、疲労感が驚くほど軽くなります。
寒さが最も深い今だからこそ、身体は「本来の力」を取り戻そうとしています。
大寒は、終わりではなく、始まりの直前。静けさの中に、すでに春の芽は宿っています。
どうか無理をせず、ご自身の身体の声に、少し耳を傾けてみてください。
その小さな気づきが、この一年の体調を大きく左右することになるのです。




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