腰痛治療

和鍼治療院の症例

腰痛の症例

慢性の腰痛治療

30代男性 Hさん

 

アパレル系の販売員であるMさんは、冷え性と腰痛に最近悩んでいました。

勤務先の店内は、外気が入りやすい構造で、暖房があまり効かず、常に足元が冷えるようです。

3年前から腰痛を頻繁に起こすようになり、慢性的に腰痛を感じるようになりました。

さらに同時期からお腹をこわして下痢をすることが多くなっていました。

その頃から体重が徐々に減少するようになり、3年間で30キロも痩せてしまいました。

ウェイトトレーニングが大好きで、定期的に欠かさず行っていたのですが、下痢を起こすようになって、すっかりトレーニングに意欲が出なくなってしまいました。

 

今春から転勤となり、職場と職種が変わるということで、体調を調えるため、腰痛治療を希望されました。

時期的に春の季節的影響が出ており、肝気の調整をはじめに行いました。

その後、胃に問題があることが脈診で判明しました。

食事の内容を詳しく聞くと、1人暮らしのため、栄養面やバランスを考えた食事をしていないようでした。

しかも不規則な生活をしているため、食事の時間が異常に遅くなることが多いようです。

ご本人は、冷え性の原因は「寒い職場環境にある」と思っておられたのですが、「頻繁に下痢を起こすことにこそ原因があるのではないか」と脈をみて直観的にひらめきました。

そこで、下痢を起こすようになった経緯をもう少し詳しく聞くことにしました。

それであらたに分かったことは、仕事で疲れすぎると喉に痛みが良く出るため、治療のために抗生物質を必ず飲んでいたそうです。

これを聞いて、下痢の原因が抗生物質の使用にあると断定し、冷え性も腰痛も原因が消化器の衰弱にあると推測するに至りました。

実際に、初診時の胃腸の調整のあと、新たにでてきた疲労の反応はそれほど重症化しておらず、年齢相応程度でした。

冷え性の改善のため、胃腸を調整する「足三里」にお灸を加えました。

すると青黒い感じの顔色がすっかり明るいくなり、頬に赤みが戻りました。

 

お灸の後に、身体の状態の変化についてお聞きしたところ、体全体が温もって、腰のだるさもすっきりと改善したようです。

 

このように消化器が原因で腰痛を起こしておられるケースは珍しくありません。

しかし、抗生物質の乱用によって腸内環境が悪化したことにより、下痢を頻繁に起こすようになったケースは初めてでした。

抗生物質は、悪玉だけでなく善玉の腸内細菌も同時に殺してしまします。

さらに使用する度に、耐性菌を生じさせることの危険性を免れません。

腸内細菌を減少させることは、直接的に消化器能力を低下させ、栄養の吸収に支障をきたす可能性が非常に高まります。

東洋医学では、消化器のことを「中焦」とし、「胃の気」の生じるところ、「後天の気」を作り出して生命を維持する「要(かなめ)」としています。

「胃の気」が衰弱したことで、身体全体の冷え症の原因となったところはとくに注意しなければならないところです。

 

安易な抗生物質の使用は、腸内細菌を殺すことになり、著しく消化機能を低下させ、体全体の気を低下させます。

その結果、元気が出なくなり、極度の冷え性になってしまします。

これと同様なことは、生野菜のサラダを食べすぎることでも起こることが考えられます。

食材の陰性、陽性を熟知し、どちらかに偏った食事をしないことが重要です。

 

腰痛にもいろいろと原因があるので、治療に関してしっかりとした診断が必要であることをご理解いただけたでしょうか。