未病治
東洋医学には、「未病を治す」という考え方があります。
これは現代で言うところの「予防医学」の考え方と似ています。
病気を予防するための秘訣は、健康である間に予防を考えることにあります。
つまり、病気になってから健康を考えるのは、「医療の第一目的」とは言えないということです。
私は学生時代にアメリカンフットボールをしていました。
アメリカンフットボールは、試合前の準備に非常に時間をかけます。
対戦相手がどのような戦術を使うのか、攻撃や守備のパターンであるとかを、過去の試合のデータに基づいて戦略を練り、試合の前からあらゆる状況に対応できるように備えます。
チーム全体の戦力は一年をかけて底上げし、試合への準備は試合と試合の間に万全を期して行い、一つ一つの試合を計画的に進めて行くスポーツです。
ところが、対戦相手に応じて変化させる戦略も、チーム全体の戦力が低いようであれば、策をろうしてもなかなか試合で通用するものではありません。
やはり日々の鍛練によって、個人とチームの戦力を上げることが最重要となります。
まさに「兵は一日にしてならず」なのです。
これと同じようなことが、医療にも当てはまるように思います。
予防医学において第一に大切なことは、健康でいる間に、自分の身体について良く理解しておくことだと思います。
「己を知り、彼を知れば、百戦危うべからず」とは、孫子の有名な兵法の一説であります。
戦をする前に相手の戦力だけでなく、自らの戦力をきちんと把握することが重要です。
病気になってから慌てて治療するのでは、時すでに遅いのであり、病気になる前に治療を受けることで、大病を防ぐことが大切であるという優れた考え方といえます。
病気を防ぐためには、普段から身体に気をつけることが予防医学として大切です。
そして、少し体調を崩して「何かおかしい」と気づいたときに、鍼灸治療を受けてもらうことが、健康を維持してもらう上でもっとも効果的であると思います。
薬に頼らず、身体にやさしい治療法があります薬には副作用があり、長期的に使用したくはありません。 鍼灸治療は、みなさんの体質と体調に合わせた優れた治療法です。 | ||
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