肩こりの特集
肩こり
日本人は、肩こりを感じやすい民族という話をしばしば耳にします。
ある調査では、日本人の4人に1人の割合で、肩こりに悩まされていると言われています。
身近な症状である肩こりですが、「どうして肩がこるのか」をきちんと理解することが意外と難しいのではないでしょうか。
肩こりの状態が長く続くと、頭痛や吐き気、倦怠感、不眠など、相関するようにさまざまな症状が出てくることがあります。
長年、頭痛薬や胃薬を服用されている方に、肩こりの状態がひどいことが多いのは、偶然ではないように感じております。
肩こりが長引く方の中には、自覚症状がなく、肩こりが習慣的となりすぎて、そのままに放置されることもあります。
しかし肩こりはすでに「未病」の状態ですから、治療せずに放っておくと、成人病の初期症状であったり、すでに何らかの症状と関連したりするので、注意が必要です。
鍼灸治療をおススメします
肩こりを改善する方法に、直接、首や肩の周囲の筋肉をほぐすことがあります。
温める、叩く、揉む、押す、伸ばすなど、肩こりを感じる筋肉周辺に働きかけることで、気持ち良い感触があり、楽になっている感じがします。
確かに一定の効果は期待できるのですが、首や肩の周囲の筋肉だけに働きかけることは、全体のバランスから診ると良くないことがあります。
しかも強く刺激しすぎると、その後から揉み返しがおこって、後から痛みが出たり、コリ感が増したり、症状を悪化させてしまうことも珍しくありません。
肩こりは、デリケートに扱う必要があります。
私は指圧の免許も持っており、鍼灸治療をするまでは、指圧を施術の中心にしていた時期があります。
その時に一番悩んだことが、「コリが取り切れないこと」と「揉み返し」でした。
指圧の施術の際、肩こりであっても、全身の筋肉の緊張を調べて、全体のバランスを調整する必要があります。
それは肩こりが部分的な筋肉の緊張だけによる症状ではなく、全身の骨格の歪み、つまり普段の姿勢と関係があるためです。
全体を調整することで姿勢が良くなり、首や肩の筋肉の緊張は確かに緩むのですが、どうしても取り切れない部分が残ります。
それを無理やり取ろうとすると、揉み返しが出ることがよくありました。
肩こりを完全に調整することは、それほどに簡単にはいかないものなのです。
その後、鍼灸治療をするようになって取り組んだことが、首や肩の周囲のコリの原因をみつけることでした。
指圧では取ることができなかったコリをどうすれば取れるのか、東洋医学の体表観察を取り入れたことで、未知の領域が広がっていきました。
指圧で培った指の感覚と、コリがある部位を識別する能力が、ツボを厳選する鍼灸治療と合わさることで、的確な診断と治療の基盤になりました。
今では、首や肩を触ることで、どの内臓が悪いのかを特定することができます。
それと脈診や舌診、腹部や背部のツボの状態と照らし合わせて、鍼灸治療を行います。
肩こりはもちろんのこと、内臓の調子が改善することで、他の症状も良くなり、身体全体が変化して楽になっていただけます。
肩こりをきちんと調整することが、未病の治療と密接に関係しています。
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肩こりの原因
・ストレスが関係し、自律神経の失調と関係するもの
・外傷性のもの
・内臓のバランスを崩したことで、反射的にでるもの
・筋肉疲労が骨格に影響し、背骨のゆがみになったもの
・生活習慣、食生活により体質に影響が出ているもの
・ホルモンバランスによるもの
肩こりの原因は非常に複雑で、あらゆる要素が複合的に重なっていることが珍しくありません。
睡眠不足やストレスなどから恒常性が保つことができなくなり、内臓に影響が出ている場合や、身体的な疲労によって、どこかの筋肉疲労が原因となっている場合、長年の無理が影響して骨格に歪みを生じたことによるものなど、注意深く原因を探る必要があります。
肩こりはすでに未病の段階ですから、根本原因を明らかにして、きちんと治していくことが大切です。
いくつかの原因を挙げてみましたが、これ以外にも原因となる要素はあります。
原因は一つとは限らず、いくつかのことが重なっていることがよくあります。
和鍼治療院では、東洋医学による体表観察によって、肩こりに関係している原因をひとつひとつ細かく診断し、特定することで、治療効果を上げております。
ひとつひとつの鍼効果を実感していただけるので、肩こりの根本原因を改善し、日常生活の養生にも活かしてほしいと思っております。
肩こりを起こしにくい体質へ、コンディションを整えてみましょう。