大雪――冬至直前、陰が最も深まる頃
- 12月8日
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一陽来復に向けて、身体と心を整える東洋医学の視点
二十四節気の「大雪(たいせつ)」は、毎年12月7日頃から始まり、冬至直前の約15日間を指します。今年も暦どおり、山々は雪を戴き、北風が鋭さを増し、空気は一段と乾燥し始めました。天気図には、典型的な「西高東低」の冬型気圧配置が着実に現れ、寒気はゆっくりと南下。自然界は本格的な冬の態勢を整えつつあります。
東洋医学では、この大雪の時期を“陰の気がきわまり、陽が再生する直前”ととらえます。冬至に陽が生まれ直すことを「一陽来復(いちようらいふく)」と呼びますが、大雪はまさにその準備期間。この時期の身体の整え方が、翌年一年の健康を左右すると言われています。
◆ 大雪とは――陰が頂点へ向かう節目
大雪は、冷え込みが一段と強まるだけでなく、乾燥・北風・日照不足が重なり、自然界全体が陰の勢いに満たされる時期です。
冬の主役である「腎」は、寒さに最も影響される臓。腎が弱ると、
手足の冷え
腰痛
むくみ
夜間の頻尿
めまい、耳鳴り
気力の低下といった不調が出やすくなります。
これは、陰の気が最高潮へ向かう大雪期に “身体の陽気が奥深くへ潜り込む” ため。冷えや乾燥にさらされると、わずかな負担が体調不良となって現れやすいのです。
◆ 大雪から冬至にかけて起こる身体のサイン
● ① 冷えと腰の重だるさ
腎の力が弱まると、身体の深部の温かさが失われます。腰が重い、足が冷える、疲れが抜けない――と感じたら、大雪期の典型的なサイン。
● ② むくみ・水毒
水分を司る腎が弱ると、むくみ、頭重感、めまいが出やすくなります。
● ③ 呼吸が浅くなる
乾燥が強まるため、肺も影響を受け、咳・喉の違和感・肌のかさつきなどが増えます。
● ④ 気持ちの陰り
日照不足も加わり、気が沈みやすく、不安が出やすい時期です。
これらは、大雪の自然変化と深く結びついています。
◆ 大雪期に必ずしておきたい養生
大雪は「冬至で陽が生まれ直す直前の仕込み」。一陽来復を迎えるための養生は次の三つです。
◆ ① 足元と腰の“深部を温める”
陽気は身体の奥に潜むため、温める場所は「下半身」が最重要。
腹巻き
足首・ふくらはぎの保温
腰回りの防寒
温かい汁物・根菜類
ただ外から温めるのではなく、体内の陽気を漏らさないことが大切です。
◆ ② 呼吸を深くして「めぐり」を保つ
寒さは呼吸を浅くし、気血の巡りを停滞させます。
朝の深呼吸
ゆるいストレッチ
ぬるめの入浴
長く息を吐く呼吸法
これらは腎と肺を同時に助け、気持ちも安定させます。
◆ ③ 早寝遅起きで“精気を守る”
『黄帝内経』曰く、「冬は早く寝て、遅く起きよ」これは冬の陽気を守り、腎精を蓄える最重要の教えです。
身体が自然と“静けさ”を求める時期。無理をせず、がんばりすぎず、休む勇気を持つことが養生になります。
◆ 一陽来復へ――和鍼治療院でできること
冬至で陽が生まれ直す前のこの時期、鍼灸は非常に効果を発揮します。
腎経・膀胱経の調整で深部の温かさを引き出す
背中の緊張をゆるめて呼吸を深くする
むくみ・水毒を改善して巡りをよくする
気分の落ち込みをやわらげ、気力を引き上げる
大雪〜冬至の施術は、翌年の体調の土台を築く最も重要なケアです。
◆ 大雪は「来年の体を育てる時間」
冬は“蓄える季節”。大雪の過ごし方は、春の花粉症、夏の疲労、秋の乾燥にまで影響します。
陰が極まり、陽が再び芽吹く冬至――その一陽来復の瞬間を、健やかに迎えるために。
自然のリズムに寄り添ったケアで、どうぞ一年の基礎を整えてください。和鍼治療院は、この大切な節目に合わせて、あなたの心身をしっかり支えます。




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