小雪(しょうせつ)——小春日和の名残りと、冬の乾きが忍び寄る頃
- 11月21日
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2025年の小雪は 11月22日 から始まります。
二十四節気の「小雪」は、冬将軍の本格到来ではありません。しかし――小春日和の名残りと、冬の乾きが静かに忍び寄る、そんな“季節のはざま”を表す時期です。
立冬の末候「金盞香(きんせんかさく)」を迎えた今年は、とりわけ穏やかな陽射しが続き、冬の入口とは思えないほど柔らかな日中が多く見られました。一方で、西高東低の冬型気圧配置がじわりと進み、等圧線は緩やかでも、朝晩の冷え込みは鋭さを増し、湿度も50%を割り込む日が続いています。
この “日中の陽気と、朝晩の乾いた冷えの同居” こそが、小雪前後のもっとも身体に負担をかける要因です。外見上はまだ晩秋の柔らかさが残っていますが、空気の質はすでに冬そのもの。体表の乾き、粘膜の衰え、自律神経の乱れが同時に起こりやすく、体は季節の矛盾に敏感に反応します。
さらに、最近は インフルエンザ に加え、風邪の原因としてよく知られる コロナウイルス(一般的な風邪を生むウイルス群) の感染も増加傾向です。乾燥によって鼻や喉の粘膜の潤いが奪われ、“免疫の第一防御線” が弱まりやすいことで、これらのウイルスが広がりやすい環境が整ってしまいます。
■ 小雪を物語る「気象のサイン」
気象学では、上空約1500mの気温が −6℃ を下回ると、地上に落ちる際に雨が雪へと変わりやすくなります。小雪は、まさにこの寒気が流れ込み始める頃にあたります。
北日本ではこの条件が揃い始め、雨が雪へと変わる日が増えていきます。まさに「小雪」という季節名と一致する現象が起こりやすくなるのです。
七十二候では「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」に象徴されるように、弱くなった陽光と冬の曇天によって虹が姿を見せなくなる時期。空の表情も、完全に冬仕様へと替わっていきます。
■ 東洋医学が読み解く“小雪の体調変化”
東洋医学では、小雪の頃は 肺と腎の弱りが表面化しやすい 時期と捉えます。
● ① 肺が乾燥し、咳・鼻トラブルが増える
乾いた冷気は、呼吸器系が真っ先に影響を受けます。・咳・のどの違和感・鼻の詰まり・皮膚の乾燥これらはすべて「肺の潤い不足」のサイン。
● ② 冷えが腎に影響し、全身の活力が落ちる
腎は生命力の源とされ、冬の影響を強く受けます。冷えが深く入り込むことで、・足腰のだるさ・疲れやすさ・むくみ・ホルモンバランスのゆらぎが現れやすくなります。
● ③ 自律神経の揺らぎによる不調
日中の暖かさと夜の急激な冷え込みが、自律神経の調節を乱します。・眠りが浅い・肩こりが強くなる・朝に体が重いこういった症状が出てきたら、体は季節に追いつけていません。
■ 小雪の養生ポイント
五臓を守り、乾燥と冷えに負けないための実践法をご紹介します。
● ① 首・腰・足首の「三首」を温める
昼間が暖かくても、帰宅時間の冷え込みは急激。冬の外気は首元から侵入しやすく、肩こりや咳の原因になります。
● ② 肺を潤す食材でバリアを強化
・白きくらげ・れんこん・梨・大根・百合根を温かく調理して摂ると肺が喜びます。
● ③ 腎を温める黒い食材
黒豆、黒ごま、ひじき、昆布などは腎の働きを支え、冬の体力づくりに最適。
● ④ 疲れや眠気は「冬の入口サイン」
冷えによる気血の巡りの悪化が原因のことも多く、鍼灸の調整がもっとも効果を発揮するタイミングです。
■ 鍼灸で整える“小雪のからだ”
和鍼治療院では、季節特性と体質を合わせた調整で、・乾燥による咳・鼻トラブル・冷えからくる腰痛や肩こり・免疫力の低下・季節の変わり目の倦怠感に細やかに対応しています。
小雪から冬至にかけての期間は、“冬の体質づくり”に最適です。今のうちに身体を整えておくことで、冬本番の疲労感や感染症への抵抗力が大きく変わります。
■ 来院を検討されている方へ
身体が冬仕様へと変わっていく今こそ、体質改善の最良のチャンスです。不調が出る前に整えることで、冬の過ごしやすさが驚くほど違ってきます。
和鍼治療院が、あなたの冬の健康をしっかり支えます。




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