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霜降

13 分前
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霜降 二十四節季 東洋医学の和鍼治療院
霜降 二十四節季 東洋医学の和鍼治療院

紅葉と落葉のあいだ、身体が冬へ向かうとき

二十四節気の「霜降(そうこう)」を迎えます。2026年は10月23日。露が冷気によって霜へと変わり始める頃とされ、秋が深まり、冬の気配が少しずつ近づいてきます。

今年の秋は、例年の季節の移ろいとは少し違う印象を受けます。太平洋ではエルニーニョ現象が強まり、気象の変化が注目されています。台風や大雨、日中と夜間の気温差など、自然環境の変化が私たちの暮らしにも影響を及ぼしています。

大阪でも、日中は汗ばむような陽気の日がある一方、朝夕には肌寒さを感じることがあります。地域や日によっては、昼と夜の気温差が15度前後に及ぶこともあります。

こうした変化の大きい時期には、身体が環境に適応するために、いつも以上に気を配りたいものです。

霜降の自然――紅葉と落葉のあいだ

霜降の七十二候は、自然の変化を三つの段階で表しています。

初候は「霜始降(しもはじめてふる)」。霜が降り始める頃です。次候は「霎時施(こさめときどきふる)」。ときおり小雨が降る様子を表します。そして末候は「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」。楓や蔦が黄色や赤に色づいていく頃です。

紅葉は、秋の深まりを感じさせる美しい自然の営みです。しかし、紅葉の美しさは、葉が色づくことだけで成り立っているわけではありません。その先には、葉が枝を離れ、地面へと落ちていく落葉の季節が待っています。

樹木は、気温や日照時間の変化を受けながら、葉の働きを少しずつ変えていきます。葉を落とすことは、単なる終わりではありません。厳しい冬を越え、次の春を迎えるための準備でもあります。

私たちは、何かを失うことに対して、つい衰えや後退という印象を抱きます。しかし自然をよく観察すると、手放すこともまた、生命を維持するための大切な働きであることがわかります。

気温の変化と、身体の声を聴く

東洋医学では、人間も自然の一部であり、季節や環境の影響を受けながら生きていると考えます。

日中の暖かさに合わせて薄着で過ごし、夜になって急に冷えを感じる。朝晩の冷え込みによって眠りが浅くなったり、疲れが抜けにくくなったりする。食欲や便通、肩や腰のこわばりなどに変化を感じる方もいるでしょう。

もちろん、これらの症状にはさまざまな原因があり、気温差だけで説明することはできません。ただ、環境の変化が続くときこそ、自分の身体に起きている小さな変化を見逃さないことが大切です。

東洋医学でいう「養生」は、症状が現れてから対処することだけを意味しません。日々の生活を整え、身体の状態を観察し、無理を重ねないようにすることも養生です。

この時期は、次のようなことを心がけてみてください。

  • 朝晩の冷え込みに合わせて衣服を調整し、首元や足元を冷やさない。

  • 入浴などで身体を温め、十分な睡眠を確保する。

  • 食事の時間を整え、冷たいものばかりに偏らないようにする。

  • 疲労感や睡眠、食欲、排泄など、普段との違いを意識してみる。

大切なのは、寒さを恐れて過剰に温めることではなく、その日の気候と自分の状態に応じて調整することです。

十二消息卦「剝」――手放すことから、次の季節へ

今回の霜降から、易の十二消息卦では「剝(はく)」へと視線を向けてみたいと思います。

十二消息卦は、陰と陽の消長を通して、時間の移り変わりを捉える考え方です。「剝」は、五本の陰爻の上に一本の陽爻が残る形をしています。陽が次第に削られ、陰が勢いを増していく象です。

前回の「観」では、目の前の現象をよく観察することに注目しました。自然の動きを観察し、身体の変化を観察する。その先にある「剝」では、何が失われ、何が残り、何が次の時代へ受け継がれていくのかを考えます。

紅葉した葉が枝を離れるように、自然は季節の変化に合わせて、その姿を変えていきます。木々はすべてを保ち続けるのではなく、必要な働きを残しながら、冬を迎える準備を進めます。

ただし、「剝」は単純に衰退を意味する卦ではありません。易の象意を自然の循環に重ねて読むならば、目に見える勢いが弱まる時期にも、次へつながる変化が進んでいると考えることができます。

人間の身体も同じように、常に活動を続ければよいというものではありません。疲れがあるときには休む。無理をしていると感じたら、少し立ち止まる。今の自分にとって必要のない負担を減らすことも、健やかに暮らすための知恵ではないでしょうか。

身体の声を聴き、冬を迎える

霜降は、紅葉が深まり、やがて落葉へと向かう季節です。自然の変化をよく観察すると、そこには、ただ衰えていくのではなく、次の季節に備える営みがあります。

私たちの身体も、気候や生活環境の影響を受けながら、日々変化しています。

和鍼治療院では、痛みや不調のある部分だけを見るのではなく、睡眠や食事、日々の生活、身体全体の状態を丁寧に観察することを大切にしています。一人ひとりの状態に合わせて身体のバランスを整え、自らの癒す力を培うことを目指しています。

季節の変わり目に、いつもと違う疲れや身体のこわばりを感じたら、無理を重ねず、ご自身の身体に目を向けてみてください。

自然の声を聴くように、身体の声を聴く。

それが、深まる秋を健やかに過ごし、これから迎える冬に備えるための養生につながるのではないでしょうか。

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