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サヨナラ、地球さん


サヨナラ、地球さん。

2018年10月29日の読売新聞に樹木希林さんのコメントがありました。

18頁と19頁の二枚を全面使用し、希林さんが舌を出している写真がとてもチャーミングで、印象的でした。

あとで知ったことですが、写真は合成写真で、舌の周辺は娘さんのものを加工したそうです。

希林さんは、今年の9月15日に都内の自宅で亡くなったそうです。

享年75歳で、その死は多くの方から惜しまれています。

希林さんの死亡原因ははっきりと知りませんが、ずいぶんと前からガンを患っておられ、徐々に多臓器に群発しており、体力の低下がかなり進んでいたことが伺えます。

2004年に乳癌があることを知り、翌年に右乳房を全摘出。

手術後、女性ホルモンを服用することになるが、直感的に飲まない方が良いと感じて、わずか一ヶ月で使用を中止。

2008年に、腸、副腎、脊椎にガンがあることが判明。「全身癌」と診断される。

2013年に3月8日の第36回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。

主演を演じた映画「わが母の記」での受賞は、二度目の主演女優賞となります。

この授賞式の時に、希林さんは「全身癌」であることを告白し、そのことも話題となりました。

全身癌となってからの治療は、九州にあるUSAオンコロジーセンターにて「四次元ピンポイント放射線治療」を受けておられたようです。

その回数も決して多くはなく、一年半も間を開けておられたときもあるとのこと。

乳癌による乳房全摘出以降は、手術をすることなく、抗がん剤治療は拒否されています。

2004年の乳癌発覚から亡くなる18年までの14年間、積極的に女優業を続けながら懸命に生きてこられた姿には、神々しいものを感じてしまいます。

がんを患ってからの希林さんの発言に、「私の場合、体の広がる全身がん。でも、ガンに感謝。経験してなければろくに「死」にも向き合わず、内田裕也さんとのこともちゃんと理解しようと思わなかった」とコメントされています。

さらに、スポーツ報知によると、「がんが見つかってもおっかなびっくりしない。出ればつぶせばいい。がんには必ず要因がある。生活習慣も見つめ直す。簡単には治らないからこそ、自分に客観的になれ、生き方がつましくなった」とコメントがありました。

樹木希林さんが、ガンをネガティブに解釈するのではなく、ポジティブに捉えることができたので、14年もの歳月をがんと共に歩んでこられたのではないでしょうか。

実は昨日、ある人からAさんが死亡されたことを知らされました。

Aさんは、デイケアーに通う70代の男性で、脊柱管狭窄症の手術を2回受けておられます。

関西で、狭窄症の手術では有名な医師に執刀してもらったそうですが、手術後に症状が悪化し、期待とは正反対の結果に苦しむ日々を送っておられました。

そんな時、ケアセンターの社長がAさんの心境を察知して、私を紹介することとなり、一度、悩みを聞くことになったのです。

相談を受けた当時は、新たな先生にブロック注射をしてもらっており、その先生をとても信頼されておりました。

鍼灸治療の優位性をいろいろと紹介したのですが、あまり関心をもたれず、それ以降、お会いすることも、その後の状態も聞くことはありませんでした。

突然のAさんの訃報とのことでしたので、社長に死亡原因を聞いてみました。

すると肺がん、肝臓がん、脊柱にがんがあり、まさに全身癌だったそうです。

毎年、前立腺、胃、大腸の癌検査をきちんと受診され、社長にもこの三つの検査は絶対に受けておいたほうが良いと薦めておられたようです。

それが最近、なんだか腰の状態がおかしいと整形外科で訴えたところ、普通の腰痛ではないと言われて、総合病院にて診察を受けたら肺がんが発覚。

そこから精密検査を重ねて、全身癌と診断され、医師からは余命半年の宣告までされてしまったそうです。

すぐに社長へ電話があり、「あれだけ検査を受けていたのに、こんな結果になって無念である」と漏らしていたそうです。

心配した社長が入院している病院を尋ねると、そこにはすでにAさんの姿はなく、他の病院に移られた後でした。

しばらくして携帯に電話があったそうですが、本人からではなく、奥様の声で「主人がなくなった」と訃報の知らせだったとのことでした。

余命6ヶ月がよほどショックだったのか、医療への不信感と無念さで気力を失い、あるいは憤死したのかは知りませんが、医師の余命宣告は大きく外れる結果となりました。

希林さんのように、ガンを宣告されてから14年間も充実した人生を歩む方もいる一方で、Aさんのように、宣告からわずか数日でこの世を去る人もおられます。

「病は気から」と東洋医学では申しますが、病や健康、人生そのものをどのように考え、どのように生きていくかで大きく結果が違うことを物語っているように思います。

最後に、希林さんの言葉をご紹介します。

靴下でもシャツでも、最後は掃除道具として、最後まで使い切る。

人間も、十分生きて自分を使い切ったと思えることが、人間冥利につきるんじゃないかしら。

そういう意味で、がんになって死ぬのがいちばん幸せなのよ。

用意ができる。

片付けして、その準備ができるのは最高だと思うの。

ひょっとしたら、この人は来年はいないかもしれないと思ったら、その人との時間は大事でしょう。

そうやって考えると、がんは面白いのよ。

いまの世の中って、ひとつ問題が起こると、みんなで徹底的にやっつけるじゃない。

だから怖いの。

自分が当事者になることなんて、だれも考えていないんでしょうね。

日本には「水に流す」という言葉があるけど、桜の花は「水に流す」といったことを表していると思うの。

何もなかったように散って、また春が来ると咲き誇る。

桜が毎年咲き誇るうちに、「水に流す」という考えかたを、もう一度日本人は見直すべきなんじゃないかしら。

それでは、みなさん、わたしは水に流されていなくなります。

今まで、好きにさせてくれてありがとう。

樹木希林 おしまい                                    宝島社

樹木希林、おしまい。                 

                                     宝島社