水と三焦
生物の生命活動において、「水」は欠くことができない物質です。 宇宙規模のマクロ視点でみると、太陽の光で瑠璃色に輝く地球があるのも、豊かな水に恵まれた稀有な惑星だからです。 この豊かな水によって、多くの生物が誕生しました。 地球というマクロコスモスにおいて水の循環はとても大切で、地球の温度、海流、気象など地球環境と密接な関わりがあります。 いにしえの人は、このような地球の水の循環を自然観察し、人体の生命現象に置き換え、医療に活用するようになります。 この地球においてミクロコスモスである私たちの体内には、体重の60%の割合で、水が備わっていると言われています。 東洋医学ではこの水分のことを「津液」と称し、人体を構成し、人体の生命活動を維持する基本物質の一つとしています。 津液の種類には体液の他に、涕(はなじる)・泪(なみだ)・唾などの分泌液、汗や尿などの排泄物があります。 古典の「霊枢・五癃津液別」に「津液は各々その道を走る、故に三焦気出で、もって肌肉を温め、皮膚を充たすものを津と為し、其流れて行かざるものを液と為す」とあります。 「三焦」という腑が