森の役割
森林には、大規模な「葉の集合体」があります。
一平方メートルの林冠には、二七平方メートルの葉が広がっています。
そこに雨が引っかかり、再び水分が蒸発します。
それとは別に、夏場になると樹木の呼吸が盛んになります。
これにより、一平方メートルあたり二千五百立方メートル、つまり二千五百トンにもなる水分が土壌から吸い上げられ、空気中に放たれます。
これらの蒸気によって雲が作られ、風によって大陸の内部に運ばれ、雨となって降り注ぎます。
それが繰り返されることで、沿岸から遠く離れた地域も乾燥することなく、生命活動に最適な環境が保たれてきたのです。
アマゾンの熱帯雨林には海岸から数千キロも離れた地域がありますが、海岸沿いと同じくらいの雨量があるそうです。
樹木が集合体となって森を形成し、海岸から内陸地まで森林が続くことで、空気中に優れた水の通路が出来上がることがわかります。
この森のポンプの仕組みで、山間部や大地に雨が降り、森林に蓄えられた水が地下水となり、地表に現れて湖や川となって、その周囲の生態系を維持しています。 この仕組みにもっとも大切なことは、海岸