慢性疾患と冷え性
この数年で「体温が低いと病気になりやすい」と言われるようになりました。 書店で健康関連の棚を見てみると、「体温を上げる」ことに関する書籍がたくさん並んでいるので、その関心度の高さがよくわかります。 これらの書籍に関心が集まる理由には、「慢性疾患」で悩んでおられる人の増加があると思われます。 なぜなら、慢性疾患の病気の多くは、西洋医学において特定の原因が究明されておらず、それゆえに対処療法で症状の緩和を図ることしか治療手段がない状況があるからです。 長年に渡って真面目に薬を服用していても症状の改善がなく、対処療法に疑問を持つようになった患者さんたちが救いを求めているのです。 そのことは、消炎鎮痛剤や抗アレルギー剤などの使用頻度をみれば、治療の限界を容易に理解することができます。 西洋医学に従事している医師の中にも、このような対処療法に疑問を抱く人がいます。 安保徹先生や石原結實先生は、現在の西洋医学の治療手段に疑問を抱いた医師であり、「冷え性」についての本を多数書いることでも有名です。 お二人は医学部を出てからの臨床において、薬を大量に投与すること