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パーキンソン病の治療(上)


この度、ご紹介するHさんは、70代の女性です。

和鍼治療院のブログ「パーキンソン病の解説」の中でも説明しましたが、60歳から70歳の中年期に発症する人が多いようです。

しかしながらHさんの場合、発症時に4大徴候(無動・筋の固縮・静止時振戦・姿勢保持反射障害)はありませんでした。

いわゆるパーキンソン病の4大徴候にはない、レム睡眠行動異常症が出現したことがパーキンソン病に気づく手がかかりとなりました。

「レム睡眠行動異常」とは、レム睡眠時に起こる行動です。

これの何が問題かと言いますと、レム睡眠時というのは、金縛りになっている状態であり、夢を見ていても身体を動かすことはできません。

ところが、レム睡眠中に筋肉を抑制する神経の働きが悪くなることで、夢の中の行動がそのまま出てしまい、「夢の行動化」と呼ばれる異常行動が出現します。

レム睡眠中の夢の内容は、口論・喧嘩・追いかけられるなど、悪夢の場合が多いようです。

そして、その夢の内容に一致して、激しい寝言や叫び声を上げたり、殴る、蹴るなどの攻撃的な行動をしたりします。

ご本人を起こすことで容易に覚醒できること、夢の内容をはっきりと想起できることに特徴があります。

Hさんの場合、隣で睡眠中のご主人を叩いてしまうことが頻発しました。

そのため、数件の病院にて相談をしたのですが、その原因究明にかなり時間を要することになりました。

通常のパーキンソン病の症状には含まれていないので、このような症状が出ている場合、専門の病院にて検査を受けていただく方が良いと思います。

病名診断が出来た時点から医師にドパミンをコントロールする化学薬品を処方され、きちんと服用されて今日まで至ります。

残念ながら薬の効果を確認することはなく、徐々に4大症候が発症するようになりました。

Hさんがレム睡眠行動異常を起こしてから6年後(平成31年)、和鍼治療院で初診を受けることにされます。

その時の印象は、顔の表情が乏しく、まばたきが少ないという無動は確認でいています。

軽く手指の振戦があり、下肢にも振戦があることを認できました。

動作はとてもゆっくりで、筋の固縮があることも明白です。

前傾前屈姿勢がありますが、その他の姿勢保持反射障害はありませんでした。

起立性低血圧と脂漏性皮膚があることから自律神経障害も発症しておられます。

レム睡眠行動異常症から始まったパーキンソン病は、6年間が経過した時点で、これほど多くの症状を併発するところまで進行したことになります。

和鍼治療院を受診される前に、鍼灸治療に通院してみたこともあるそうですが、「6回ほど治療を受けて、一度だけ首が軽くなった感じがあった」とのことでした。

問診を終えた時点で、他の治療院での治療結果から「治療の効果が出にくいのかもしれない」と少し弱気になりました。

しかし、これまでの経験と知識を信じて、Hさんの治療に入ることにしました。

パーキンソン病の治療(後編)へつづく