前橋レポート (インフルエンザワクチン)
1987年に「学童防波堤論を根底からくつがえす報告書が発表されます。 その正式タイトルは、「ワクチン非接種地域におけるインフルエンザ流行状況」で、「前橋レポート」とも呼ばれています。 この調査は、トヨタ財団の資金援助によって、前橋市医師会を中心に構成された「前橋市インフルエンザ研究班」によって実施されました。 前橋市で調査が行われた理由は、1979年のワクチン接種後、小学5年生の子がけいれんを起こしたからです。 このことを前橋市は重く受け止めて、その年の2回目の接種を中止し、厚生省に、「けいれんの原因がワクチンの副作用ではないか」との申し入れをしました。 これに対する返答は、「予防接種に起因しない」とのものでした。 そのため、前橋市は、市独自での救済措置を行い、小中学校の集団接種を中止し、以降の接種を行わない決断をしました。 そして、予防接種中止の影響を調べる責任を感じた医師会が、インフルエンザ研究班を発足し、前橋市の全市立小学校(生徒数約2万5千人)の出席状況を6年間にわたって調べました。さらに、それらの小学校から5つを選び、約600人の2年生から採血をして、インフルエンザの抗体検査を行いました。 この検査を毎年2回行い、この学年が小学校を卒業するまで追跡調査しました。 こうして、前橋レポートは、インフルエンザワクチンを集団接種しない前橋市と、集団接種をした周辺地域(高崎市・安中市・桐生市・伊勢崎市)におけるインフルエンザの流行状況を、1980年から6年間にわたって比較した、大規模な疫学調査となりました。 その結論は、「ワクチンの接種地域と非接種地域で、インフルエンザの罹患率、超過死亡などの違いは認められない」ということでした。 つまり、ワクチンがインフルエンザの予防になっていないことを明らかにしたのです。 前橋レポートが発表されてから今日まで、この結果をくつがえすような調査報告は、世界中のどこからも発表されていません。 このことは、前橋レポートが現代にも通用する調査報告書であることの証明です。 前橋レポートに関しては、「カンガエルーネット」のホームページ http://www.kangaeroo.net/ に前文が公開されています。 ワクチン接種を考えるための参考にしてください。