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三伏の訓え


韓国では、夏の暑い盛りに三度にわたって、スイカや桃などの果物と一緒に保養食を食べる風習があります。

その際の定番メニューが「参鶏湯」です。

参鶏湯は暑いスープなので、寒い冬場に好んで食べられているのかと思っていましたが、夏の暑いときにもスタミナ料理として愛されているようです。

特に夏の保養食を食べる日は特別な意味があり、冬場の養生とも関係してきます。

一年で太陽が出ている時間が最も長く、夜が短い日を「夏至」と呼びます。

夏至(6月21日~24日)を過ぎて、三番目の庚(かのえ)を「初伏」、四番目の庚を「中伏」、5番目の庚を「末伏」とし、それぞれを合わせて「三伏」と呼びます。

「三伏」は、7月の中旬から8月の中旬にあたるので、夏のもっとも暑い時期となります。

陰陽五行説において、夏の季節は「火」に属します。

一方、庚の日(金の兄・かのえ)は、「金」にあたります。

五行説における相性・相克の原理に当てはめると、「金」は「火」によって抑制されます。

金は火に、火は水に、水は土に、土は木に、木は金に、その勢いを抑制されることになります。

木を切ることができる金属が火によって溶かされ、その火も水によって消されてしまい、水は土で堰き止められますが、土は木に栄養分を取られてしまいます。

このような関係を「相克」と呼びます。

どれか一つの要素が暴走しないように抑制する働きがあるのですが、それが行き過ぎるとバランスが崩れて問題が生じます。

このような関係上、夏至を過ぎた暑さのもっともピークとなる時期の庚の日は、火が金を克す日となることから、「凶の日」とされています。

そのため、三伏の日は種まき(新しいこと)や旅行・婚姻を避ける日とされています。

夏場の身体は、体内の陽気を外へ排出しようとします。

皮膚の毛穴は開きやすく、汗を出して気化熱で身体を冷やします。

手足に張り巡らされた血管も皮膚の表面近くにあり、陽気を逃がす役割を担います。

このような恒常性の働きがあっても、私たちは冷たいものを求めてしまいます。

身体が陽気を逃がしている状態で、体内に冷たいものが入ると、逆に陽気が衰亡してしまい、秋以降に冷え性を発症しやすくなる体質をつくるベースができてしまいます。

また、消化器を冷やし過ぎたことで食欲を減退させてしまい、栄養の偏った食事になることも心配されます。

3番目の末伏が立秋の日(8月7日~11日)の後に位置するようになっていることも、昔の人の知恵ではないでしょか。

黄帝内経「四気調神大論」によると、春と夏は、陽気を保養して、秋と冬は、陰気を保養することが大切であることが記されています。

夏場に陽気を保養できないと、秋以降に冷え性で悩むことになる可能性が高くなります。

陽気がありすぎても、消耗しすぎても、健康上に良くないことにあるので、三伏の日に参鶏湯などの保養食を取って、身体の調整を図ることはとても大事なことなのです。

自然とともに豊かに暮らそうとしてきた古人の叡智を生活に取り入れたいものです。