空が高すぎる
新暦で、七夕から7月21日までの期間は「小暑」となります。
梅雨が明けて、本格的に「夏」になるころを意味します。
ちょうど蓮の花が咲くようになります。
2018年の「海の日」は16日の月曜日で、3連休の最後でした。
未曾有の降雨量となった長雨が止んだ後の連休で、急激な気温上昇となり、体温を超えるような猛暑が続いています。
それ以降、各地で「熱中症で搬送される人が続出している」とのニュースが話題となっています。
私は週末、中学生にラグビーを教えているので、この3連休もグランドに通い詰めでした。
練習中はとにかく暑すぎて、日陰から外へ出ると、体中の毛穴から、汗が次から次へと止めどなく湧き出てくるように感じるほどです。
20分ごとに水分補給の休憩を入れるようにして、監督の指示で12時から15時までを休憩時間とし、17時までの練習へと変更する事態に。
午前9時から夕方17時までラグビーと関わっているのですが、帰る頃には日差しの影響で、目が痛くなります。
帰宅してから寝るまで、眼球が腫れていて、身体が火照って寝付けないほどです。
さすがにこれはまずいと思い、最終日の月曜日は、UVカットのサングラスをして、学生たちの練習試合を見守ることにしました。
そんな猛暑でしたが、学生たちは本当によく頑張ったと思います。
ところで、グランドに出ていると、暑さ以外にも気になったことがあります。
奈良は盆地ですから、四方を山に囲まれていて、周りを見渡せばどこかの山の上に必ず「入道雲」が現れるはずです。
これほど暑ければ、早ければ午前中からでも、もくもくとした入道雲が出現し、青空との見事なコントラストを描くもの。
ところが、この三連休中、どの時間滞であっても、雲らしきものがありません。
30年ほど前にアメリカンフットボールをしてた頃、上ヶ原の土のグランドで、ひたすらダミーに向かって突進していたのですが、このような夏の空を見たことが一度もありません。
しかも、ここ数日の夕暮れの西の空は赤く染まり、まるで秋の装いです。
まるで8月下旬のようですが、それと違うのは、涼しい風が吹いていないところです。
何かしら気持ち悪い予感がするようになり、天気予報を注意して聞くようにしていました。
すると、この異常気象の理由がようやく判明できました。
なんと、太平洋高気圧の上に、大陸のチベット高気圧が乗っかっているという「高気圧の二重構造」に原因があるようです。
しかも南洋には台風による熱帯低気圧があり、両方の高気圧へとエネルギーを供給しているとのことでした。
通常なら、もっと蒸し暑く、ジメジメとして積乱雲ができるところですが、大陸から大きく日本列島に迫り出したチベット高気圧の支配下にあるため、雲ができない構造になっている模様です。
ゲリラ豪雨のニュースが聞こえてこない不自然さは、大陸の内陸部のような天候が日本列島に起こっているからかもしれません。
「山沿いでは夕立があるかもしれない」と天気予報士は語っていますが、果たしてそのようになっているのか心配です。
雲のない、澄み渡るような空は、実は霞みがかっているため、夕暮れの鮮やかな夕焼け空を演出するのでしょう。
「空が高すぎる」ことは、私たちの環境と身体に、どのような影響をもたらすのでしょうか。