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アスピリンと副作用 (下)


長期投与を控えるようにとの指示もあることから、その効能の仕組みを詳しく知る必要を感じます。

Tさんに生じた全身の症状は、私たちの免疫システムと深く関係があります。

免疫システムは、免疫だけが独立して機能しているのではなく、自律神経と内分泌系(ホルモン)とが連携して機能していることがわかっています。

これをホメオスタシス、日本語で「恒常性」と呼んでいます。

私たちが生命活動を営むためには、ホメオスタシスが正常に機能する必要があります。

もしもこの機能が狂うようなことがあると、病気になるだけでなく、突然死することすらあるほどの影響が出ます。

アスピリンなどの消炎鎮痛剤は、プロスタグランジンを産生するシクロオキシナーゼの働きをブロックし、その結果としてプロスタグランジンの合成を阻害します。

プロスタグランジンは、カテコールアミンの産生の抑制系として働いています。

カテコールアミン群には、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンがあり、それぞれ交感神経系の刺激物質として働く役割があります。

消炎鎮痛剤によって、プロスタグランジンの合成を阻害し、カテコールアミン群の産生の抑制を阻害することで、交換神経緊張状態を人体にもたらすことができます。

交感神経は、一部を除くあらゆる分泌現象に対して抑制作用を発揮するので、神経刺激を伝達するための分泌も抑制します。

そのため、知覚神経の働きがブロックされることになり、我々は炎症による痛みを感じなくなります。

この仕組みによって、リウマチ関節などの神経痛に効果があるのです。

ところがその一方で、重篤な副作用で苦しむ因果も生じることになります。

交感神経の刺激は、頻脈や高血圧を生じさせます。

それにより、人体はいつも疲れた状態になっていきます。

そして、免疫系である顆粒球が増多するようになり、過剰になった顆粒球によって、胃の粘膜や関節などのあらゆる組織を破壊するようになっていきます。

これら組織破壊こそが、添付文書に書かれている数々の副作用の症状なのです。