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ナポレオンの生涯と病気 (前編)


精神的なストレスが体調に影響を及ぼすことは、よく知られていることです。

現代人が胃や十二指腸潰瘍を起こしやすく、心臓病、糖尿病、高血圧などのいわゆる成人病に悩まされやすいことを俯瞰してみると、ストレスの影響は決して軽くないことがわかります。

20年間、治療現場に身を置いていると、生命力が豊富な方とそうでない方がおられることに気づきます。

東洋医学には、「先天の気」という考え方があり、父母の生命力を授かって、この世に生を受けることを意味します。

先天の気は「天賦の才」ともいうべきもので、非常に旺盛な人もいれば、非常に少ない人まで十人十色であります。

特に体力面において差が出るため、普通の人の三倍の仕事をこなしても平気な人がおられる一方で、三分の一の仕事量で精一杯である人もおられることを知りました。

今回、注目する人物は、「先天の気」に恵まれた豪傑の話です。

フランスの英雄といえば、誰もが知っている「ナポレオン・ボナパルト」です。

彼は六十余度の戦争を経験していますが、一度も戦に負けたことがなく、戦場に臨んで恐怖を覚えたことがないと伝えられています。

彼自身が語るところによれば、薬を口に持っていくと、身震いを覚えるほどだったようです。

それほど健康で、精力的であったとういことです。

若い頃は全く疲れというものを知らなかったようで、一食も一休もせず、十五時間をぶっ通しで活動したことが伝えられています。

ある日、遠征に出かけたときのことです。

全速力で五時間ほど馬を飛ばして百三十キロを踏破し、随行した者が次々と落伍して居なくなり、しまいに彼一人なったという話が残っているそうです。

政治的には、「普通の国王の百年分の仕事を、執務官として三年間でやり遂げた」と評判になるほどで、彼自身は「余の仕事を計る尺度はない」と豪語していたそうです。

その頃の彼が、どのような体格をしていたと想像されるでしょうか。

さぞかし体格は堂々としていて、精力溢るる風采だろうと想像してしまいます。

ところが、実際は瘦せ型で、胸は薄く、頬はこけ、顔色は黒ずみ、眼光は炯炯たるもの(鋭く光る)だったそうです。

後編へつづく