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エントロピーの増大


「生物の死」は、生命現象の終焉を意味します。 これを物理学の世界では、「エントロピー最大の状態」と呼ぶそうです。 エントロピーとは、乱雑さ、つまりどれくらいランダムであるかを表す尺度です。 すべての物理学的プロセスは、物質の拡散が均一なランダム状態に達するようにエントロピー最大の方向へ動き、そこに達したときに終わります。 これを「エントロピー増大の法則」と呼びます。 なにやら難しく感じるのですが、この物理学的プロセスの一例を紹介します。

水をはった水槽に、インクを落として入れてみます。 インクは濃度勾配(グラデーション)によって、ランダムに水中に拡散し、やがて一様に広がり、平衡状態に達します。 どこの水をすくってみても、同じインク濃度になっている状態、つまり変化が無くなる状態がエントロピー最大の状態です。 「エントロピー最大の状態」は「熱力学的平衡状態」とも呼ばれており、物質の勾配、温度の分布、エネルギーの分布、化学ポテンシャルと呼ばれる反応性の傾向において、速やかにその差が解消されて均一化することを意味しています。 インクのような無生物がエントロピー最大の状態になるスピードは比較的短い傾向にあります。

されに比べると、人のエントロピー最大の状態、つまり「生から死」までの時間は、平均して何十年と長いと言えます。 熱力学的平衡状態にはまり込むことなく、生命は成長し、自己を複製し、怪我や病気から回復し、さらに長く生き続けることができます。 生きている生命は絶えずエントロピーを増大させつつあります。 つまり「死の状態」を意味する「エントロピー最大」という危険な状態に近づいていく傾向があり、そのランダムさの影響にさらされていることが重要と考えます。

ランダムさの中には、がん細胞の発生も含まれいます。

健康な人であっても、たくさんのがん細胞があり、毎日3000個から5000個のがん細胞が発生しているといわれています。

健康状態が常ならざるのは、エントロピーの増大と無関係ではありません。