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  • 小島 秀輝

立春と感冒


今年も立春を迎えて、インフルエンザや風邪が流行しているようです。

東洋医学では、春は、冬の間の不養生が原因で、体調を崩すとされています。

日中の温度差や、日々の温度差が激しいこの時期は、自律神経のバランスが乱れやすいと思います。

実際に、節分を超えてから、「春の木気」の影響を受けている患者さんを多く治療するようになっています。

風邪の方もおられれば、花粉症を発症している方もおられます。

アトピーや喘息をお持ちの方も、症状が悪化しやすいので注意が必要です。

病院にお勤めの、ある患者さんの話では、インフルエンザワクチンを打っている人でさえ、インフルエンザに罹患して、タミフルを求めて病院に行かれているとのこと。

昨年にワクチンを接種した人の約半数が、インフルエンザを発症しているそうです。

薬を扱う現場におられる方の話だけに、信憑性があります。

そもそもワクチンは集団感染を防ぐ目的で使用され始めたはずなのですが、最近では症状の重症化を防ぐことも目的のひとつに加えられているようです。

インフルエンザウイルスが、他のウイルスよりも問題視された理由は、一斉に流行するからです。

実際、少し前までは風邪は「感冒」と呼ばれていて、その頃、インフルエンザは「流行性感冒」と呼ばれていました。

ところが、ウイルスの発見により、インフルエンザとして区別されるようになります。 風邪を引き起こすウイルスは、60種類以上あるといわれます。 その中のひとつが、インフルエンザウイルスです。 「夏かぜ」であっても流行すれば、「流行性感冒」と呼ばれていて、インフルエンザだけが特別ではなかったのです。 つまり、インフルエンザもただの「風邪」にすぎません。

医学博士・母里啓子氏によると、カナダの感染症のパンフレットには、「インフルエンザは自然に治る病気である」と記載があるそうです。

日本とカナダのインフルエンザに対する考え方には、かなりの開きがあるように感じます。

この違いは、医療に関することだけに、「ところ変われば品かわる」という話にはなりません。

もしも、カナダでのインフルエンザに対する考え方を採用すれば、たとえインフルエンザに罹患しているとしても、わざわざ病院に行って、診断を受ける必要すらないのですから。

日本では、発熱してどんなにしんどくても、学校に出す書類のために、病院に足を運ぶ必要があります。

インフルエンザに罹患して病院に行くことが当たり前の日本ですが、インフルエンザが流行している時期に通院することはとても危険なことなのです。

なぜならインフルエンザの種類は一つとは限らず、免疫機能が働き始めた直後の脆弱な状態で病院に行くことは、違う型のインフルエンザに罹患しにいくようなものなのです。

このことは、「ストレス学説」の知識があれば、納得してもらえるのではないでしょうか。

インフルエンザに限らず、ウイルス感染についての正しい知識を身に付けることが、ご自身やご家族を守るために必要なのです。

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